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もう俺らにとっちゃ言い争いするウチのTOP2なんて日常茶飯事やん。聞いてて楽しいからええけど。
「ちょ、待って…グルッペンさんもトントンさんも……」
「え、ちょ、止まって下さいや！？」
「ふっ…wええねんて、止めんでも。」
慌てふためく新人二人を笑いつつ宥め、未だぎゃいぎゃいと言い争う二人を眺める。…止まらなさそうやなこれ。
「お二人さん、そろそろやめぇや」
そこで、ロボロがすかさず牽制する。少し吃驚した二人が口を噤み、再び静寂が訪れる。真っ先にその静寂を打ち破ったのは、また口を開き出したロボロだった。
「シッマもシッマや。無理矢理にでも戻さんでええやんけ」
「……………は？」
突然何を言い始めるかと思ったら。…そういえば、此奴は我々だを抜ける、とか言ってたっけ…
「個々の意見を尊重する。このグループの方針を忘れたりはしてへんよな？」
「……っ、せや、けど…」
「『来る者拒まず去る者追わず』。お前は、それに反しようとしとる、解らんのか？」
皆の視線が、一気に突き刺さる。ロボロが言っている事は、確かに正しい。反論の余地が無い程度には的を射ている。
「いいえ、ロボロさん。少なくとも私は違うと思います。」
はっとして顔を上げる。エミさんが真っ直ぐロボロの瞳を見つめ、はっきり言う。
「ふーん。何が如何違うんか言ってみ？」
「確かに、このグループの方針は、『来る者拒まず去る者追わず』です。でも、コネシマさんは、私を救ってくれた。"去った"のではなく、現実から"逃げた"私を、助けてくれたんです。」
「………………逃げた、ねぇ。」
腕を組み、その言葉の意味を噛み砕くように復唱するロボロ。
「それは、現実が嫌になったからやないの？逃げて、背けて、もう此処にいたくない。そう思ったから逃げたんやろ？本間に、そんな地獄のような事実を突き付けられて尚、仲間に絆され続けるんか？」
「なっ違、少なくとも私はっ…」
「ええよエミさん」
どんどんロボロの言動に捕らえられて、じくじくと胸の内が痛む。そんな事を言われたらもう、エミさんは、態々俺が"可哀想だから"という理由で、同情して残ってくれたようにしか考えられない。けれど、そんな風に仲間を信じられない自分も、嫌になってくる。否、大嫌いだ。
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作者名：ringo517 | 作成日時：2020年10月11日 20時
