戦争屋、分裂中におき。 (ページ4)

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シャオロンの家へ着く。チャイムを押して数拍、はーいと返事をしてシャオロンが扉から顔を出す。

「どうぞ、入って。」
「…おん。邪魔すんで。」

いつもだったらここで、

『邪魔すんなら帰ってー。』
『はいよー』
『www』

こんなノリだってあった筈やのに。
今のシャオロンは、ただ、自らの心を凍結させているような、外からの意見なんか取り入れない、そんな雰囲気を感じた。

「ほら、座りぃや？」

＿＿隠れた寂しさを、感じた。

「…で、早速本題入るけど、もう一回でもええねん。動画、出て来うへん？」
「うーわ、心無いなぁ…。…さっきも言ったけど、俺はもう出られへん。」
「何でや…」
「…怖いんや。」

怖い、？と聞き返そうと思ってシャオロンの顔を見よう、そう思った時。
彼……シャオロンは、肩を小刻みに震えさせ、目は薄く透明な水の膜を張っていて、今にも涙が零れ落ちそうだった。

「＿＿＿＿シャオ、」
「否定されんのが…みんなが、はなれていくのが、こわいねん…」

回らない口で、途切れ途切れに、でもハッキリと伝えられる。今まで知らなかった、シャオロンが抱え続けて来た痛み、そして、その重み。これは、そんな簡単に口出ししていいものではない、本能がそう告げた。

「おれも、いままではかんたんにな、ながせてた。でも、な、おれ、いやがっとるそぶり、みせたんよ。なのに、な？ぜんぜん、つたわって、ない…！！！」

…嫌がっている、素振り。
思い当たる節は、しっかりある。きっと、『シャオロンが○○なので、シャオロンのファンやめます。』
…多分そのコメントだろうと思う。
このグループで、そんなコメントをもらうのはシャオロンだけだ。でも、国民もリスナーも、一切悪気は無く使っている…筈なのだ。だが、その軽い判断で、本人…今、俺の目の前にいるたった一人の人間が、悩んでいる。傷付いている。

孤独を、恐れている。

「みんな、わるぎはないって、わかってんねんけど、それでも、っ…やっぱり、みんな、おれのこと…すきやない、んやなぁ、ってさ、おもってまうんよ…！」

ぽつぽつ、でもしっかり耳に届くよう。堪えきれずに溢れ出す涙が、シャオロンの衣服にシミを作っていく。……ただ、一つだけ言いたい。

「言いたい事は分かった。でもな、シャオロン。お前、自分から愛されに行く気、無いやろ？」
「＿＿＿＿＿＿は」

怪訝そうな顔で見つめられる。そりゃそうだ。だが俺は、そんな事は気にもとめずに言葉を紡ぎ続ける。