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「実は、脳にとても大きな衝撃を受けていて、いつ目を覚ますのか分からないんです…」
申し訳無さそうに、恐る恐る付け足す看護師。オスマンも、この一言に目を見開き、その場で硬直した。
「そう、ですか…伝え辛い事を、態々有難う御座います。」
そう言ってお辞儀をするエミさん。
…あれ？今俺は、何かできる事でもあるのか？下手に慰めに回ると、オスマンの事だ、何か癪に触ったりするかもしれないし、変に気分を上げようとするのも俺は得意では無い。エミさんも、さっきから丁寧に看護師さんに対応している。この場で何もしていないのは、俺だけだ…。否、何も出来ない。
＿＿＿何も"分からない"のだ。
大切な人を失った事なんてない。…いや、違う。大切な人がいない。俺は、俺には。
この、親にさえ真面な愛情を貰った事が無い、今まで大切な人が居なかった俺に、今のオスマンの辛さは、全くもって想像がつかないのだ。
こういう時は、なんて声をかけるのが正解なのだろうか。
オスマンは、如何して声を殺して泣いているのだろうか。……俺は、これから如何他人と接すればいいのだろうか。
何も、分からない。
何も。
何て、悲しいやつなんだろう。
そして、無慈悲で冷酷だ。
周りの人たちは、いつか俺を捨てたりしないだろうか。
そんな訳の分からない心配をする俺が、俺は大嫌いだ。今、同じ空間で、仲間がこれまでに無い程悲しんでいるというのに。今、扉の向こうで、危機に陥っている仲間がいるというのに。これ程までに、俺は心が壊れてしまっていたのか。
…否、元から無かったのか。愛情なんて知らない？大して悲しみもせずに、まるで穴が空いてしまったかのような虚無感に襲われる。孤独からは、抜け出せられないのか、俺は？
そんな事を考えている間に、何処かで十七時を知らせる鐘が鳴り響いていた。
ーーーーーーーーー
総統閣下からの唐突な空爆に、主の何かが成仏した気がした今日この頃。
今日気づきました、ようつべに上がってたんですね。(倒置法)
ずっとwktkしてます、感謝しかない。
…あ、突然hit数上がったんですけど…？(困惑)
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作者名：ringo517 | 作成日時：2020年10月11日 20時
