戦争屋、分裂中におき。 (ページ13)

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今日は、動画を取る日。貯めていた動画のストックが無くなったという事で、ゾムと俺でホラゲーをやろうという話だ。トントンと話ができない…否、し辛かったが故に、少し日をおいてから行こうという事で、早速ゾムの家へ向かう。

ピンポーン…

「はーい、どうぞー。」
「邪魔すんでー」
「邪魔すんなら帰ってー」
「はいよー」
「久々やなこの茶番w」
「まあせやろなw」

シャオロンを引き戻し、ショッピ君に助言を貰ってから、心なしか前より笑えている気がする。

「さーて、やるか！！」
「あんまでかい声で叫ぶなよ？」
「多分大丈夫！」(フラグ)
「フラグって知ってるかな？」
「ハッハッハッハッww」

PCの電源をつけ、ソフトを開く。…さあ、戦ってやろうじゃないか。

＿＿＿と、意気込んだのも束の間。俺らは体力的にも限界を迎えていた。

「じゃ、これで終わりやね…」
「おう！じゃあ、ここで締めますわ！」

そして録画ボタンを押して切る。録音も切って、二人して椅子の背もたれによしかかる。そして同時に大きな溜め息を着く。今回のホラゲーは、プレイ時間が長いらしく、ストーリー重視のものなのかと思ったら案外そうでもなかった。確かにストーリーは凝っているのだが、それ以上に演出がホラー要素てんこ盛りだったのだ。じわじわ追い詰められて行ったり、突然驚かされたり。二人で終始怯えながら進行していった。

「くっそ、もうやらんわw」
「これ、ひとらんにやらせたら企画倒れ待ったなしやな…」

ふと、ゾムが呟いたその言葉。そういえばひとらんらんとは、連絡が取れていない。顔を合わせたのも数年前になる。本当なら今直ぐにでも誘いたいのだが、誘う手段がないし、きっと彼も忙しいのではないか…そんな思考で、気付かぬ内にぼーっとしていた。

「…シッマ？」
「ん、あぁ、何もないで。」
「ふーん……あ、じゃあこれの編集僕やるわ。」
「お、分かった。」

その後は、大して中身のない話をして、気が付けば午後二時になっていた。…昼、食べ損ねたなぁ。じゃ、そろそろ帰るわ、と言い、外へ出る。少し進んで大通りに出た所に見つけた。

「＿＿＿え、エミさん？」
「＿＿＿コネシマ、さん？」

互いに名前を呼び、その場で暫く硬直。すれ違う人が何事かと横目でみてくるが、そんな事は気にも止めなかった。…と言うよりかは、気付かなかった、の方が正しいかも知れない。