【銀魂×約束のネバーランド】 雪の降っていたあの日2

51私達が生きるために……!! ページ9

ママ「幸福な一生じゃない？
暖かなお家で美味しいご飯を愛情いっぱい。
上も寒さも真実も知らず、満たされた気持ちで死んでいく。
一一いったいそれのどこが不幸だと言うの？」

ママはいつも通りの笑顔に戻り、笑いかける。

エマ「………………っ!!」

ママ「逃げるなんて不可能(ムリ)。
お外も危ないわ、絶望がいっぱいよ。」

ママの視線が私に降り注いだ。

私が柵の向こうに行き、塀に登っていたのもお見通しだったわけね。

「…………。」

ママ「決められた時間、最後まであなた達6人にも幸せでいて欲しいの。」

エマとノーマンは気づいたみたい。

そう、これは“即出荷”じゃない！

恐らくレイは切った。

だから下見は今しかない!!

誰がなんと言おうと……

私は今、皆と一緒に生きたい！

私達は目を合わせる。

ノーマン「わかったよママ……。
ーーもういい子は辞める。」

ママの顔が歪んだと同時にーー

エマ/A「行って、ノーマン!!」

下見強行

私達がママを足止めする!!

エマと時間を稼ぐ。

そのうえで……コンパクトを上手く奪えばーー！

ノーマンなら姿を消せる。

「取ったっ！」

私がコンパクトを奪えた瞬間、

バキッ

鈍い音がした。

エマの足が完全に折れた。

「…………っ!?」

けどコンパクトは奪えた。

私はノーマンに向かって大声で叫んだ。

「ノーマン!!私達には構っ…………。」

バキッ

2回目の鈍い音。

その音は、今ここで聞こえた音の中でいちばん近かった。

手を確認するとコンパクトがない。

それどころか……。

エマ/A「ｱﾞｱﾞｱﾞァァァッ!!」

私の腕は思いもよらぬ方向に捻れ、関節が1つ増えていた。

私はその場に膝を着き、蹲る。

隣を見ると、ママはエマを抱きしめていた。

ママ「Sｈｈｈ……よしよし大丈夫よ。
痛くない痛くない。」

「エ……マ…。」

ママはそのまま私も抱きしめた。

ママ「ああ、かわいそうに。
私の可愛いエマとA。
だから｢諦めて｣と言ったのよ。
でも久々のハグは嬉しかった♡
ノーマンもよく気づいたわね。
素晴らしいわ！」

そう言ってママは包帯を取り出す。

初めからこうするつもりだったってことなの!?

ママ「私はあくまで“制御”する。」

ズキッ……。

痛みが邪魔をして上手く聞き取れない。





ママ「……無事明日を迎えられるわ。」

「明日…？」

ママ「大人しくお祝いしてね。
ーー上からの通達があった。


おめでとうノーマン。
あなたの出荷が決まったわ。」

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