【銀魂×約束のネバーランド】 雪の降っていたあの日2

50初めまして、飼育監と食用児 ページ8

レイside
これからも制御する。

つまりママはまだ満期出荷を諦めていない。

｢即出荷｣はない!!

下見を止めても意味がない。

いやこの先に待つのは直接支配！

今を逃せばもう二度と下見のチャンスはない!!

ママに阻まれる前に何がなんでも下見させなければ…!!

Aなら気づいてくれるはずだ!!

ノーマンやエマも気づくはず!!

お願いだ！気づいてくれ!!







Aside
目の前に柵が見えたとき、近くで気配がした。

ザクッザクッと足音が聞こえるほど近くまで来ていた。

「エマ、ノーマン。」

エマ「うん！」

エマは後ろの茂みにロープを投げた。

でもなんという失態をしてしまったのだろう…。

真剣な眼差しを心にしまい、笑顔を作る。

エマ「ママ…？どうしたの？」

目の前に現れたのはーーママだった。

一体どういうことなの!?

なぜママが来た!?

“｢制御出来ない｣と思われたら終わりだ。”

その言葉が頭によぎる。

一体何をしに来に…まさか…

“即出荷”!!?

胸の鼓動が大きな音を立てる。

私は静かに気を落ち着かせる。

そしてこの森に集中させる。

「………………!!」

森の中に人の気配が3つ。

固まっていてこっちに向かっていることが分かる。

そうなると、レイ達が来ている!!

そうなると、考えられるのは1つ。

“下見強行”のみ。

ママ「……10年。」

エマ「えっ。」

今まで黙っていたママが口を開いた。

ママ「10年一緒に暮らしたけれど、お芝居抜きでお話するのはこれが初めてね。」

やっぱり、知らぬフリをしてももう意味はない!!

ママ「初めましてエマ、初めましてノーマン、初めまして…A。」

エマとノーマンはただ呆然とママを見ていた。

ママ「フフフ…ウフフフ…。
何も知らないイイ子のフリなんてしなくていいの。
ーー今ここではただの飼育監と食用児。」

再び激しく鼓動がなる。

ママ「でも誤解しないでね。
私は、あなた達を愛している。
大好きなの、本当に……我が子のように愛しているわ。
ーーだからこそ、諦めて欲しくてここへ来たのよ。」

ノーマン「何を…？」

脱走すること？

大人になること？

ーー命？

ママ「抗うことを。」

……!!これは……。

ママ「大好きだから苦しんで欲しくない。
私はあなた達を苦しませたくないの。」

「苦しませたくない……？」

そう言うと、いつもとは違う冷たい微笑みを私達に向けた。

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