【銀魂×約束のネバーランド】 雪の降っていたあの日2

63辛いときは何も考えられない ページ28

最後の話をしようかーーー




約ネバ！スターティング♡




ぴったり6時。

朝は鐘の音で始まる。

現在は37人兄弟。

どこを見渡してももういない。

その事実が果てしなく辛かった。





ＮＯside
レイ「もういい、農園(ここ)で死のう。」

エマ「え？」

レイ「無理だ。周り崖だし、橋も本部から出ている一つだけ。
……何より疲れた…………疲れたんだ。」

エマ「じゃあこれは？」

エマが装置を見せる。

レイ「要らない、お前にやるよ。
逃げたきゃ逃げろ、俺は降りる。
ーーごめんな、エマ、A…。」

レイがそう言うと、エマは去ってしまった。

ギルダ「エマっ!!」

ドン「……なぁA、Aは……。」

A「……ごめん…。分からない。」

ギルダ「え？それはどういう…。」

A「…何をどう考えても、頭が真っ白なの。
……少し…休ませて。」

そう言ってAもその場を立ち去った。




ギルダ「エマもレイも…Aまでも別人よ。
これで本当に脱獄できるのかしら…。」

ドン「……。ビビったって仕方がねぇ。
俺たちだけでも頑張ろうぜ。」

ギルダ「うん……。」





Aside
腕は大方治った。

けど、ギプスを外して喜べる感情など私には残ってなかった。

子供部屋に戻り、ただ窓を見ながら時間が過ぎていくだけだった。

すると後ろからノック音が聞こえた。

コンコンっ

「入っていいよ。」

ガチャ

ママ「あら、A。驚かないのね。」

入ってきたのはママだった。

「兄弟達ならノックなんてしないわ。」

ママ「それにしてもあなた、やっぱり早いわね。」

そう言ってママは私の隣に座る。

ママ「もう無理に考えず、諦めなさい。
私はね、もしあなたが望むなら、この農園の飼育監(ママ)候補に推薦しようと思ってるの。」

するとママは無関心そうに聞いていた私の両肩を掴み、目の前で言う。

ママ「A、飼育監(ママ)を目指して生きなさい。
全てを受け入れれば楽になるわよ。」

「私は…………生きたい…。」

ママは一瞬微笑むが、

「けど飼育監(ママ)になんてなる気はないわ。」

その言葉にママの表情が曇る。

ママ「じゃあいいわ、せいぜい苦しみながら死を迎えなさい。」

ママが出ていこうとしたとき、とっさに言葉が出た。

「ねぇママ…。」

この言葉にママは振り返る。

「ママは飼育監(ママ)になって本当に幸せ？」

その言葉に一瞬、ママは絶望的な目をした。

64幸せとは一体なんだろう？→←過去編 勘が冴えることは辛いこともある

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す