【銀魂×約束のネバーランド】 雪の降っていたあの日2

53ノーマンを逃がし隊 ページ12

水場に向かうとノーマンがしゃがんでいた。

ザァァァ

水の流れる音がノーマンの心の涙を表すかのように途切れることなく流れ続けた。

私は片手をノーマンの肩に置く。

「ノーマン……。」

ノーマン「…A。」

「自分で死にに行こうなんて考えてないよね？」

ノーマン「…僕は全員を助けたい。
そのためには僕を利用しなくちゃ。」

「……嘘つき。」

ノーマン「え？」

「じゃあ、その｢全員｣の中にノーマンはいないの？」

ノーマン「それは……。」

「……ママは私達を元から折るつもりだったわ。
丁寧に包帯まで用意してくれていた。」

ノーマン「でも僕はそれで諦めない。」

「そんなこと1番私達が分かっているわよ。…ママは私達を先の先まで読んでいる。
ママに対抗するにはノーマンが必要だし……

ーー…一緒に……生きたい…。」

そう言って私達は医務室に入る。

ノーマン「エマ！っ！」

レイ「話がある……。」

レイ来てたんだ。

分かっていたから、信じていたから。

任して正解だった。

私は静かにレイの隣に立つ。

レイ「俺達はお前を死なせねぇ。
ノーマン、明日昼お前1人で逃げろ。」

勿論帰ってくる言葉は……

「｢ごめん出来ない｣は無しよ？
2人に言えば、」

エマ/レイ「却下。」

「ほらね。」

ノーマンは私達の言葉に苦い顔をする。

レイ「まぁ聞けよ。正確には、明日昼1人で｢逃げたフリ｣をしろ。」

「私達の怪我が治るまで敷地内に潜伏していて。」

エマ「そして、私達の決行日に一緒に逃げる。」

ノーマン「けど……たとえ嘘でも僕が逃げたら警備が厳しくーー。」

レイ「警備を変えるとすりゃ、見回りや飼育者の増員。
その程度どうにでもできる！
いやする！」

ノーマン「……。」

レイ「お前が死ぬこたないんだよ!!
出荷されるしかねぇなんてまやかしだ！
だから生きろ!!
逃げたフリして、この方法でーー」

ノーマン「ダメだよ。
僕が逃げたらレイやエマ、Aが代わりに出荷されるかもしれない。
僕の代わりに3人の誰かが死ぬなんて
絶対に嫌だ！」

ノーマンは何かを喜ぶかのように笑った。

ノーマン「命はくれてやる。
でもその他何一つ譲る気はない。
負けるつもりも一切ない。
僕は勝つ！脱獄を必ず成功させる!!
これで充ぶ」

「何が充分!?
ノーマンは……ノーマンは私達が同じこと…言っても納得出来るの…？
私は納得出来ない！
ノーマンは死なせない!!」

エマ「じゃ、レイも足折ればいいよ。
いいでしょ、ねっレイ！」

思い出編 総悟の記憶→←52腕と脚と心の損傷

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す