【イナイレ】信じるココロその8！ (ページ29)

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367話ページ29

心配……？

円堂「監督の言う事を聞くことは確かに大事な事だ。だけど、仲間が困ってる時に、のん気にサッカーなんかできねぇよ」

円堂のその言葉で、また昔の事を思い出した。

『かな、なんで言わなかったんだ？！』

『だって…言ったらお兄ちゃん、みんなに変な目で見られるでしょ？…そんなの嫌だもん…』

『……それ、俺のために言ってるのか？』

『うん…』

頷くとお兄ちゃんはゴツンッとげんこつで頭を軽く叩いた。私はびっくりして俯いていた顔を上げる。そこには、今にも泣きそうな悲痛な表情をしたお兄ちゃんがいた。

『俺のために嘘ついて、隠してたのか？』

『……』

『俺達は兄妹であり家族なんだ。痛みも悲しみも、分かち合うもんだろ？！』

『で、でも…これはお兄ちゃんには関係な……』

『ある！！！

関係ないなんて、そんな悲しいこと言うなよ。妹に、家族に辛いことがあったのに、何も知らないなんて…そんなの俺は嫌だよ。何も知らないで、気づかないところで傷ついてるなんて知ったら、俺は……俺は………自分が許せなくなる！！』

『お兄ちゃん…』

『いいか、A。"誰にも助けを求めちゃいけない事"なんてないんだ。俺達は支え合いながら生きてる。我慢するな。自分を閉じ込めるな。俺はお前の兄ちゃんなんだから、嫌なことも、ムカついたことも、悲しかったことも、辛かったことも……全部話聞くし、相談に乗る！困ってるなら尚更だ！』

この時の最後のお兄ちゃんの言葉、私はそれを……

＿＿＿『"「助けて」"って…少しくらい頼ってもいいんだぞ！！』

今、ちゃんと守れてない……

A「う…っぐ……」

私は更に涙が止まらなくなった。

家族でもない、ただサッカーが好きで友達になった人に、こんなこと言われるなんて思ってもみなかった。

円堂「なぁA…前言ってたよな。
俺がリベロになって、立向居が初めてエイリア学園との戦いでGKを任された時……

『仲間なんだから助け合うのは当たり前！』ってさ」

…その言葉に私はハッとする。

円堂「"仲間なんだから助け合うのは当たり前"ってことはさ…

仲間が困ってる時に、真っ先に駆けつけるのも………」

「ありだよな！」とニカッと眩しい笑顔で言い切った円堂。その笑顔には、"迷惑"なんて感情はなかった。

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