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Ki


電車を降りてすぐ、藤ヶ谷の手が俺の手首から離れていった。


数秒間だけ掴まれた手首。
優しく掴まれたはずのそこには掴まれた跡なんて残っていないのに、跡が残っている気がする。

いや、跡が残るくらいキツく掴んで欲しいと思っているんだ。


俺、気持ち悪い。

跡が残るくらいとか。





「…北山、どうしたの?帰ろ。」


俺が気持ち悪い想像をしているなんて全く思っていないだろう藤ヶ谷は、いつもと変わらない笑顔を向けてくれる。

藤ヶ谷は、ずっとずっと優しい。

幼馴染の俺に変わらず優しくしてくれているのに、俺は藤ヶ谷を好きになって気持ち悪い想像してるなんて。

恥ずかしい。


「…北山、もしかして体調悪いの?」


藤ヶ谷の言葉と心配した顔と同時に、
俺のおでこにゆっくり伸びてくる藤ヶ谷の手。

手は俺の髪をかき分けて、
俺のおでこにぴたっとくっつく。


「熱はないみたいだけど、気持ち悪いとか?」

「…大丈夫、ちょっと疲れてるだけ。」


首を振って藤ヶ谷の手をやんわりとどけたつもりだった。

藤ヶ谷に触られたら、ないはずの熱が出ちゃいそうだから。

なのに、




「…触られるの嫌だった?…ごめん。」

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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時

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