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Ki
「…そんなのダメ。」
ダメ。
なにが、なんで、ダメ?
俺はもう高校生だし、一人で電車に乗れるし、ご飯も食べれるのに。
「…ダメ、なの?なんで…?」
「今までずっと一緒だったんだから、これからも一緒でいいじゃん。急にどうしたの?」
「今までは俺が気づけなくて、でも藤ヶ谷の彼女、一緒に帰りたいみたいだし、そっちのがいいでしょ…?」
「…なにがいいの?」
「俺と一緒より、好きな人と一緒のがいいでしょ?」
黙り込む藤ヶ谷と、相変わらず頭が混乱してる俺。
幼馴染の俺より、やっぱり彼女でしょ?
「それでいいの?北山は、それでいい?」
「…え?」
「俺が彼女と一緒に登下校して、昼休み一緒に過ごして、それでいいの?」
「…うん。」
藤ヶ谷が好きな人と過ごせる時間が増えるなら、俺と藤ヶ谷の時間が減っても、いい。
「…そっか、わかった。」
「うん、それじゃ。」
「…待って。」
「ん?」
「もしかして、彼女できた?」
…彼女?俺に?
そんなわけない、彼女は多分一生できない。
「…いや、できてないけど、…どうして?」
「…ううん、なんでもない。できてないならいい。」
藤ヶ谷は最後までずっと難しい顔をしてた。
ちっとも嬉しそうな顔じゃなかったし、眉間に皺がよりっぱなしだった。
なんでかはわからない。
わからないけど、俺の心はあまり寂しさを感じていなかった。
今日の帰りの電車から、貴重な藤ヶ谷との時間がほとんどなくなるのに、なぜか落ち込んでいない自分に少し驚いた。
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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時