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Ki


昼を食べ終えた後、用事があると言って先に教室に戻った藤ヶ谷。
そんな藤ヶ谷から遅れて、教室に戻ろうと廊下を歩いていたら、廊下で話してる女子達がいた。

その中の一人。
たしかあの子、藤ヶ谷の彼女だったはず。
美男美女カップル、お似合い、誰も入れない。そんな言葉がぴったりの二人。









「藤ヶ谷くんと一緒に帰ったりしてるの?」

「いや、帰ってないよ。」

「え、なんで?同じ電車じゃなかったっけ?」

「幼馴染と一緒に帰るから、一緒に帰れないって言われて。」

「なんか意外。」

「本当は一緒に帰りたいんだけど、あんまり強く言って嫌われたくなくて。」



…俺と一緒だから、藤ヶ谷は彼女と帰れない?

彼女は藤ヶ谷と帰りたがってる。
もしかして藤ヶ谷も彼女と帰りたいのかな?
もしそうだとしたら、俺、邪魔者じゃん。

なにそれ。
俺、なにやってんの。

ゆっくり廊下なんて歩いてる場合じゃない。

藤ヶ谷に言わなきゃ。
藤ヶ谷の恋を邪魔しちゃいけない。
好きな人の恋を邪魔するような卑怯な人間にはなりたくない。

藤ヶ谷、今どこかな。
とりあえず藤ヶ谷のクラスまで行こう。

まだ頭が混乱してるけど、はやく伝えて今日からでも二人が一緒に帰れるように。









…いた。
席で本を読む藤ヶ谷を呼ぶ。


「どうしたの?俺なんか忘れてた?」

「…あのさ、藤ヶ谷って彼女いるよね?」

「うん。」

「えっと、俺彼女できたことないから今まで気づけなかったんだけど、登下校とかお昼とか、彼女と一緒に、」

「まって北山、どうしたの?」


焦って頭も言葉もぐちゃぐちゃで、うまく伝えられない。
そんな俺を見る藤ヶ谷は、眉間にしわを寄せてる。


「さっき藤ヶ谷の彼女が、藤ヶ谷と一緒に帰りたいって言ってたの聞いて、だから、藤ヶ谷もそう思ってるなら、」

「…なにそれ。」

「へ?だって同じ電車なんでしょ?」


藤ヶ谷の顔は、嬉しそうじゃない。
俺、また間違えたのかな。なにが違った?



「もし俺が彼女と一緒にいたいって言ったら、北山は誰と一緒に電車に乗るの?誰と一緒にご飯を食べるの?」

「…ひとり?」


藤ヶ谷とずっと一緒だったから、誰か違う人と、なんて考えたことがない。
だから一人かな。

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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時

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