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Ki


泣きながらゆっくり歩いて、家まで帰った。
家に着く頃にはびしょ濡れで、靴から溢れる水と全身から滴り落ちる水滴が、玄関を濡らしていった。

濡れていく玄関を見ながら、藤ヶ谷のことを考えた。

今まで人を好きになったことがなくて、
誰からも告白されたこともない。


どうすればいいんだろう。








あ、そうだ、連絡帳、渡さなきゃ…。

でもこのままで行ったら、藤ヶ谷のお母さんに心配されると思って、

動揺しながらも濡れた服を着替えて髪を乾かしちゃんと傘を持って藤ヶ谷の家へと向かった。

歩いてすぐそこの藤ヶ谷の家。
家も近くて歳も同じ。親同士も仲良し。
幼い頃からずっと一緒。いろんなことを二人でやって楽しんで笑って、時には泣いた。

最高の友達、親友だと思っていたけど、
俺は藤ヶ谷のことが好きみたいだ。

好きって、こういうこと?

よくわからない。








俺の心にも雨が降ってる、なんてちょっと感傷的になりながら藤ヶ谷の家まで歩き、藤ヶ谷のお母さんに連絡帳を渡してきた。

本当は藤ヶ谷に会いたかったし、お母さんにも会わないか聞かれたけど、用事があるからって言ってそそくさと帰ってきた。

もちろん用事はなかった。

何もなかった。
今日も藤ヶ谷と放課後遊ぶつもりだった。




いっぱい人がいる中で、藤ヶ谷を好きになるなんて。

俺、これから大丈夫かな。
友達として藤ヶ谷の隣にいられるかな。









…気持ちがバレたらどうしよう、

そんな不安でいっぱいになりながら、精一杯気持ちを押し殺して藤ヶ谷の友達として過ごし、
今年の春、俺は高校二年生になった。

藤ヶ谷と同じ高校に行き、毎日一緒に登下校。

もちろん告白したことはない。
されたことならあるけど、全て断った。



藤ヶ谷は…、
たくさんの女子に告白されて、付き合って別れてを繰り返している。

今もすごく美人な彼女がいる。




この想いを伝える日は来ないと思うけれど、
藤ヶ谷の隣でずっと友達でいたい。

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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時

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