14 ページ14
Ki
眠たくなるような授業の連続をどうにかやりきって、やっと俺の待ち望んだ昼休み。
朝のことがあってほんの少し気まずい。
それでも藤ヶ谷に会えるのは嬉しい。
今日も来てくれるかな、そわそわする。
「北山、行こ。」
「…今いく!」
今日も来てくれた。
やっぱり嬉しいなって思うけど、藤ヶ谷の前でだらしなく緩んだ顔を見せないようにキュッと顔を引き締めた。
隣を歩き隣に座り隣で弁当を広げる。
当たり前のように繰り返されるこの時間が、藤ヶ谷のことをじっくり考えた昨日からとてつもなく素晴らしいものだと思うようになった。
今日も一緒にご飯食べられて嬉しい、
そう思いながら弁当を食べていたら、隣の藤ヶ谷の弁当が全くと言っていいほど減っていないことに気づいた。
「…藤ヶ谷、どうした?お腹、空いてない?」
「…え?あ、別にそういうわけじゃない。」
遠くを見て木のように動かない藤ヶ谷。
どうしたんだろう。
悩み事?
「…なあ、香水欲しいなら一緒に買いに行こっか?俺のと同じでいいなら。」
「…香水?」
「朝、欲しいって言ってたから。」
信じられない。覚えててくれたんだ。
それに一緒に買いに行ってくれるって、聞き間違いじゃないよね。
飛び上がりたいくらい嬉しい。
「欲しい!」
「ははっ、声でかいよ。」
「…あっ、でも、」
「ん?」
俺と同じで嫌じゃないのかな。
「…俺が同じ香水で、嫌じゃない?」
「嫌なわけないじゃん。…もしかして、俺と同じなの嫌?」
「嫌なわけない!そんなわけないから!むしろ嬉しい!!…あっ。」
「嬉しい?」
どうしよう。
嬉しいって気持ち悪かったかな。
藤ヶ谷の顔も声も別に嫌そうではないけど、なんて言うのが正解なんだろう。
498人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時