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Ki


藤ヶ谷のことが恋愛対象として好きだと気づいたのは、いつだっただろう。



いつだっただろう、
なんて忘れたふりしてみたところで忘れられるはずがない。

今でもあの時のことが鮮明に思い出せるし、きっと一生忘れることはないだろう。









小学六年の秋、幼馴染の藤ヶ谷に恋をしていることに気づいた。


その日は藤ヶ谷が風邪で学校を休んでいて、家が近所の俺が連絡帳を渡すのを先生に頼まれた。

今にも雨が降り出しそうな日だったけど
俺は傘を持ってくるのを忘れていて、運悪く置き傘もなかった。
しょうがないから雨が降り出す前に走って帰って連絡帳を届けようと決めていた。

走って帰る、そう決めていたのに。
途中までは走れてたのに。
最後まで走って帰ることはできなくて、
降り出した雨に打たれながら家まで帰った。

雨と涙が俺の頬を濡らしたあの感覚、
全身を濡らす雨の冷たさと涙の温かさ、
肌にはりついてベタつく服の気持ち悪さを、今でも忘れることができない。




俺が雨に濡れながら帰った理由、それは本当に些細なことで、でも確実に俺の人生を変えた。






帰りの会が終わり次々と人が帰っていく中で、近くの女子の話し声が聞こえてきた。
本人たちは小声で話しているつもりみたいだったけど、俺の耳には恐ろしいほどはっきり聞こえてきた。

女子がしてたのは、好きな人の話。

まあ好きな人がいても何もおかしくないし、最初はなんとなく聞いてたけど、途中からなんとなくではいられなくなった。

なぜかって女子の一人が言ったから。



「私は、藤ヶ谷くんが好き。」って。

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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時

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