7.問題 ページ8
「グレイ」
賑わうパーティーの中、Aはワインに口をつけるグレイに声をかけた。
「なーに、A。言っとくけど、例の事なら大丈夫だから。口を出すなって陛下に言われてるんでしょ?」
グレイはグラスから口を離し、Aを見た。
「……わかってるなら、いい」
そう言い、Aはくるりと向きを変えてグレイから遠ざかって行こうとした。
「あ、A」
ジーメンスの元へ向かおうとしていたAをグレイが呼び止めた。
Aは不思議に思いながらも、グレイに歩み寄る。
「愛想は、よくしといた方がいーんじゃないの?」
グレイはそう言って自分の口の端を指で上に押し上げた。
そんなグレイにAはフッと笑って言った。
「グレイが見てないだけで、ちゃんと愛想はよくしてるよ」
グレイはハッとした。
食べ物に夢中でAを見ていなかったからである。
「ふ、ふーん。そうなんだ?ま、そっちも頑張ってよ」
グイッとグラスに残っていたワインを飲んだグレイにAは少しだけ笑った。
----そのとき
「やめなさいと言っています!!」
食堂にオペラ歌手のアイリーン・ディアスの声が響いた。
「いやらしい手でベタベタと…もう我慢できません!!」
グレイとAが声のした方を見ると、アイリーンがジーメンスに怒っていた。
「ンだとぉ?」
そして、ジーメンスは酔っ払っていた。
「うわー…これか、陛下が言ってたのは」
グレイの言葉にAは頷いて言った。
「男装してきてよかったよ。余計なトラブルに巻き込まれなくて済んだ」
そう、Aの言うように、男装の案はヴィクトリア女王が出したもので、ジーメンスのこれを回避するためのものなのだ。
「無礼者!!恥を知りなさい!!」
バシィィッとアイリーンの右手がジーメンスの頬を打った。
「この…言わせておけば!!」
そう怒鳴ってジーメンスは、手に持っていたジョッキの中に入っているビールをアイリーンにかけようとした。
ばしゃっと液体がかかった。
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有紗 - 更新頑張ってください! (2015年1月13日 23時) (レス) id: 7f54a8456a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 更新待ってます!! 続きが気になります(´艸`*) (2015年1月1日 17時) (レス) id: 3ecfed2619 (このIDを非表示/違反報告)
鈴猫(プロフ) - 続きが見たいですね (2014年12月8日 14時) (レス) id: b7cabe5847 (このIDを非表示/違反報告)
鈴猫 - 頑張って下さい (2014年12月7日 15時) (レス) id: 32a5f43a7b (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2014年11月8日 23時) (レス) id: 07cfa5ac65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるまるまるま | 作成日時:2014年3月12日 22時