【黒執事】女王陛下の意のままに (ページ25)

今日:22 hit、昨日:6 hit、合計:71,561 hit

24.悪寒ページ25

「命令だッ！！セバスチャン！！今すぐ起きろ！！」

それでもなお起きないセバスチャンにシエルは苛立つ。

「～～～～っ僕の命令が聞けないのか！？誰が死んでいいと言った！？許さないぞセバスチャン」

セバスチャンを起こそうとセバスチャンに何度も平手打ちをするシエル。

そんな悲惨な光景を皆はただ見ていることしか出来なかった。

「目を…ッ」

もう一発平手打ちをしようと手を上げたシエルの手をバルドが掴んだ。

「坊ちゃん、もうカンベンしてやってくだせぇ。こいつはもう…

死んでるんです…」

その言葉を聞き、再び涙が溢れるメイリンとフィニ。

「嘘…だろう？」

シエルはセバスチャンに手を伸ばした。

「死んでる…のか？セバスチャン…

僕の執事であるお前が…」

優しくセバスチャンの開いていた目を閉ざすシエル。

「お前は…お前だけは…ッ

最期まで僕の傍にいるって--------------」

「ここに置いとくと痛んじゃうし、早いとこ移動した方がいいかもね」

「！…はい」

グレイがあまり関心なさそうに言うと、バルドはやりきれない思いで返事をした。

「さ…坊ちゃん」

シエルをセバスチャンから引き離そうとするメイリン。

「嫌だっ離せ！

僕を置いていくなセバスチャン！！」

だがシエルは素直に聞くはずもなく、血で汚れてしまった手をセバスチャンに伸ばす。

「坊ちゃん！」

「セバスチャンッ

命令だ、命令だ…ッ

命令だッ！！！」

「…うーん？今回の殺人は監禁されてた伯爵には無理だよねぇ？」

シエル達の様子を見ていた劉が首を傾げる。

「！」

セバスチャンが殺されたというショックで頭が回っていなかったアーサーは、劉の言葉にハッとする。

「面白くなってきた」

そう言って薄く笑う劉に、アーサーはゾクリとしたなにかを感じた。