【黒執事】女王陛下の意のままに

12.序曲 ページ13

『ぐッ、ぐわあああッ』


ビリヤードをA、グレイ、グリムズビー、フェルペス、アーサーでやっていると、突然呻き声のようなものが聞こえてきた。


「⁉な、なんですか、今の…」


ビリヤードを見ていたアイリーンが青ざめて言った。


「とりあえず行ってみましょう」


Aは、言ったとき、グレイが微かに笑った気がした。


Aの言葉を合図に、ビリヤード室にいた者たちは、声のした所へ向かった。




「ジーメンス様！」



「どうしたの？なんの騒ぎ？」


グレイ達が行ってみると、メイリンが扉をドンドン叩いていた。


「蹴破りましょう」


鍵がかかっているようで、セバスチャンは水をメイリンに渡した。


そして、扉を勢いよく蹴った。


バン、と大きな音がして、扉が外れる。


「ジー…！！」


メイリンが覗くと、そこには…


「！！！」


カッ、と雷光にジーメンスが照らされた。


そこには、ワイシャツが赤く染まってまるで死んでいるかのようなジーメンスがいた。


「きゃああああああッ」


「うわああああッ！！」


悲鳴が屋敷中に響く。


フッとフェルペスが倒れる。


「あっフェルペスさん！！」


それをウッドリーが支えた。


「失礼！」


アーサーがジーメンスのところへ駆け出し、手首に指を当て、脈を確かめる。


「…死んでる！！」


アーサーは青ざめた顔でそう言った。


(ファントムハイヴじょう)
---- 幽鬼城 殺人事件の幕開けだ

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