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「監督、俺はもう大丈夫です。俺をフィールドに戻してください!」
風丸は立ち上がると頭を冷やしていた氷を大谷に返す
彼は怒っていた。それと同時に哀れとも。助け合うべき仲間を傷つけて戦力を削いで何がしたいのか。彼は今燃えていた。それを剛陣らは「やる気満々だな!」と眺めていた
「良いでしょう。選手交代で〜す!」
意外にもあっさりと許された
ボードに選手交代の指示が映ると黒裂はもう終わりか、もともと風丸の代わり故そこまで出番もなかったのだが、名残惜しみながらもフィールドを去っていく。途中皆から「お疲れ様」と声を掛けて貰えたことで、彼女はちょっとした達成感を感じていた
「ありがとう、おかげで助かったよ。あのロングシュート凄かったな」
『先輩のプレーで霞んでしまいそうですけどね。残り時間頑張って下さい!』
ゴールラインで少し話すと風丸はフィールドへ、黒裂はベンチへと走っていった
「お前すげぇなあのシュート!」
「あの位置からあのスピード…!」
ベンチに戻ると剛陣と坂野上は彼女を誉めるが、誉められ慣れていないこの主人公はもうやめてくれと首を横に振る
「必殺タクティクス″エンジェルローブ″」
鬼道の掛け声で灰色の雲に光が射す。彼らの意識も移り黒裂は助かったとため息をつく
射し込んだ光はやがて黄色中心のオーロラへと変化する。オーロラは天から舞い降りた羽とともにボールを持ったイ(ドンヒョク)を囲む
ボールを持った相手にGK以外の全員が囲んで奪うというのがこのタクティクスだ
鬼道がエンジェル、どこがエンジェルでどこがローブなのか、1人相手にこれは一種の集団リンチなのでは、突っ込みと笑いは次々に湧くが日本はボールの奪還に成功した
「吉良ヒロトと灰崎凌兵。2人が上手く絡めば日本にも勝算はあるんだなぁ…」
紀村は観客席でまた呟く。そしてそれを返すのは少女ユウ
「そうね。合わなそうでも美味しいってこと…ある」
アイスから今度は何やら毒々しい色をしたキノコのお菓子を持って笑っている。先程は見せなかった笑顔に、紀村はどうしたのかと見つめる
その席の前では持参のおにぎりにマヨネーズをかけて目を輝かせる元祖″ザ・ウォール″の使い手壁山と栗松がいた
「おいしいっス〜!」
「マジでやんすか!?」
某V字のマヨラーを連想した人は少なくないだろう
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聖羅(プロフ) - おぉ、非リア同盟はキーワードなんですね!注目して読まなければ…笑 (2019年2月18日 17時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)*(プロフ) - 聖羅さん» わざわざパート1の方にコメント頂きありがとうございます!センスなどと大層なお言葉、胸がいっぱいになりそうです!非リア同盟は、わりと本編に関わってくるので是非とも注目して頂きたい。これからもどうかよろしくお願いします! (2019年2月18日 15時) (レス) id: 333bfe8339 (このIDを非表示/違反報告)
聖羅(プロフ) - シリアスな雰囲気の中にこっそりネタを入れてくるあたりセンスが凄いですね!非リア同盟のくだりは笑いました笑 これからも頑張ってください! (2019年2月16日 20時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)(プロフ) - ぴぽさん» ありがとうございます!可愛いと言っていただけて嬉しいです!日々精進致しますので、これからもよろしくお願いします (2018年11月29日 7時) (レス) id: efb7d8eaad (このIDを非表示/違反報告)
ぴぽ - イラスト可愛いです!なんかさらに上手くなってませんか!?これからも頑張って下さい! (2018年11月27日 0時) (レス) id: 8ec037955c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:良子(ラッコ)* x他1人 | 作成日時:2018年10月20日 16時