いつまででも私のなかで【虎杖悠仁】 ページ3
仁徳に、道徳的に。
そうであれと願う心はいつだって惨めったらしくて、情けない。
そうだね、人の心は永遠だよ。
でもね、熱は有限なの。
あなた達が嫌だ嫌よ、と拒絶する束縛のようなほとぼりは有限。
誰かに必要とされたい、愛されたい、と願う熱はいつか無くなってしまう。
いいじゃない、形を残せば。
愛されたいじゃない。
暖かいじゃない、冷たいのは嫌よ。
そう思えば思うほど、私の想いは加速して、重みを増してゆく。
意識を引っ張り出したのは友人の虎杖だった。
頬に冷たいアイスをぴったりとくっつけられ、夢小説でありがちな悲鳴を上げてしまう。
「ひゃ」
「大丈夫?」
心配してくれたのだろうか。
私の熱で虎杖のアイスが溶けてなきゃいいけど。
「何かあった?」
終始疑問形で終わる虎杖の言葉に頭を整理する。
ああ、そうだ。
確かコンビニの店員が元カレだったから、考えてたんだ。
復縁だとかメールアドレスの書かれたレシートだとか。
目の前で捨てたけど。
何となく頷いて、虎杖に返答する。
虎杖の束縛性がないところだとか、筋肉質なところだとか。
さっきの元彼、所謂固有名詞のおかげで恋心が戻ったのか。
何か、急にドキドキする。
「A?」
うん、大丈夫だよ。
今回の恋は上手くいくから、きっと。
酷く臆病になった熱をもう一度引きずる。
「虎杖、あのね」
ギラついた恋心。
ねえ、私に道徳的な愛を教えて。
あたしのお兄ちゃん【七海健人:高専】→←忘れてゆくから【夏油傑】
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ぱりす(プロフ) - 匿名希望さん» コメントありがとうございます、身に余る言葉です! (2021年1月16日 21時) (レス) id: be542bd55e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 文才が溢れ出ていて読みやすい。好きです (2021年1月16日 20時) (レス) id: 56187da194 (このIDを非表示/違反報告)
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