ぷらす、らぶ【虎杖悠仁】 ページ19
アイスクリームを虎杖くんと買って食べた。
かあっと照る日差し、吐いてしまいそうなほどの晴天。
私は目をしぱしぱまばたきさせる。
青、白、青、白。
やっぱり眩しい、東京以外に任務は虎杖くん、行ったことあるのかな。
梅雨の時期のくせに晴れている。
帰りはきっとどしゃ降りかもしれないけど。
「先輩、ソーダ味食べてみてよ、美味しいからさ」
差し出された空の色にも似た氷菓。
表面が溶け、つやつやと光る眩しい砂糖と氷をがりりと噛めば、甘い味がする。
人工的な甘い味が。
私、ソーダの味、苦手なのに、変わった。
虎杖くんが変えてしまった。
おいしい?と微笑む彼に口元を押さえて頷く。
本当に自分から食べもしない青い物体を口内で溶かす。
飲み込んで、笑う。
多分、脳がおかしいんだ。
私の脳の席、ソファー。
隣に虎杖くんのための席が空いている。
そこにおいしさも愛しさも悲しさも全部詰まっている。
座布団がひとつ、おいてある。
そこにはいつか虎杖くんが座るんだ。
座らなくても、ずっと空いてるんだけど。
座らないまま、置いてあるかもしれないけど。
「先輩、大丈夫だよ」
私の未来への不安を舐めとって虎杖くんは抱き締める。
誰もいない、青のカーテンが背後で眩しいバス停でキスをする。
私の隣は虎杖くんのためにある。
ごくわずかのヒーロー精神【五条悟】→←氷菓の温度ばかりたとえて【伏黒恵】
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ぱりす(プロフ) - 匿名希望さん» コメントありがとうございます、身に余る言葉です! (2021年1月16日 21時) (レス) id: be542bd55e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 文才が溢れ出ていて読みやすい。好きです (2021年1月16日 20時) (レス) id: 56187da194 (このIDを非表示/違反報告)
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