今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,031 hit
小｜中｜大
若草 ページ6
中学時代は人並みに残酷だったように思える。
痛みで彩られた思い出だった。
それが普通だと思いこんでいたので、ある程度は救いだったと思う。
承認欲求の強い少女の顔は知らない。
よく動く女の子だった。
授業中、私の名を大声で呼んで笑い者にしている。
聞こえるような陰口と、暴力。
給食に消しゴムのカスが入っているのは当たり前で、制服に気付けば白い粉が付いていた。
チョークの粉だった。
黒板に近付いた覚えはない。
裸を撮られて拡散された。
制服がなくなっていた。
トイレに男子生徒が入り込み、後は覚えていない。
殴られたように思える。
上履きにゴム製の何かが白い液体とともに置かれていた。
それが保健体育の授業で教えられたものだと気付くのには時間がかかった。
私はそのとき学校を休んでいたから。
だからつい限界になって、こんな女曲がってしまえばいいと思った。
彼女の腕は捻れた雑巾みたいになって、聞いたことのない悲鳴が耳を劈いた。
怒られたのは私だった。
それから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
