週末-after day2 ページ13
「...おせー、んだよ」
「だよね、ごめんね」
遅すぎたね。何もかもが。
「キヨも幸せになってね」
「言われなくてもなるわバカ野郎」
「ひどい!!」
2人きりの新婦控え室で笑い合う。
キヨの頬に流れた涙には気付かないふりをして、笑い合う。
狡いね。私は今でも狡いままだ。
控えめなノックの音とヒラの声がする。
「あー...そろそろ時間になる、けど...大丈夫?」
キヨがさっと涙を拭う間にガチャっと私がドアを開けた。
急に開いたドアに目を丸くするヒラに大丈夫だよと微笑む。
「...そう」
ヒラはちらりとキヨを見て、少し寂しそうにそう言った。
後ろからこーすけがひょこりと顔を出して、「A、幸せになれよ」なんて言って、ヒラもにこりと笑ってそれに頷く。フジは既に泣きそうだ。
キヨがもう一度「ほんと、...幸せになれよ」なんて言うものだから、泣きそうになってしまう。
「もう今既に幸せですぅ」
おどけて笑ってみせる。
こーすけが笑う。ヒラが笑う。フジが笑う。キヨも笑う。
5人で笑い合い、いつもの様にふざけ合う。
これでいいんだ。これがいいんだ。
心地いい笑い声の中に身を置いて、ただそう心の中で呟いた。
ーーーfinーーー
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この後はキヨくんsideを書こうかと思っていますが...もしかしたら書かないかもしれません(笑)
一応書くつもりです。
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作者名:りんち | 作成日時:2020年8月17日 20時