MoeMoe part3

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翔太の視線がじーっと伝わってくる





集中すると周りが見えなくなる方ではあるけど翔太の視線は別らしい


いつも気づいてしまう









けどそれは翔太の目力がとかそんな話じゃない


見入る癖、というかなんというか







今だって隣に座っていた顔が、50cm、30cm、10cm、とだんだん近づいて覗き込まれる









「翔太、どしたの？」









そう聞くと


いや、うん、とだけ言ってより一層顔が近づいてくる









「やめろ」









何がしたいかはすぐに分かった


無言でされる、それはなんとなくそんな気分じゃない







いつも言わない翔太が言ってくれたらちゅーの一つや二つするけど









「いいじゃん」









「何するの」









「いや、いいじゃんわかるだろ」









「いやぁ、わかんないなぁ」









頑なに言わない翔太はきゅっと口を閉ざしてしまう




何か言いたそうだけど

言いたくない？








可笑しくって口が緩んでしまった、翔太は少し嫌そうな顔をしてる









「わかるだろ？いいじゃん」









「だから、何するの？」









目がうろうろする翔太は恥ずかしがってるみたいに見える









「別に、なにも」









「えーそうなの？」









そういえばさっき、と思い出して翔太の顔を覗き込んでみる

下から見ても好きな顔



どうしても口元が緩んでしまう









「ちゅーしたかった？」









腹立つって思ってる顔




目を閉じてちゅーしてくれるのをまってみる

たぶん、翔太はこれに乗らないから









「阿部ちゃんさ、ちゅーっていうのやめてくんない？」









数秒すると、予想通りちゅーはしなかった

あとそんなの思ってると思わなかった
なんでやめて欲しいんだろ




覗き込んでたのも元に戻されて、鼻にちゅーされた









「ん、どゆこと？」









「だから、」









何か続きを言おうとして翔太はやめた









一瞬、口が触れ


次は、かぷっと被りつかれた







何か言い返そうと思ったけど翔太に身を任せた





ｅｎｄ.

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