３４ ページ36
「…うま」
背後から声が聞こえ、私は勢いよく後ろを振り返った。
私の後ろには口をもぐもぐさせた霧野君が立っていた。
あ「…えっと？」
霧野君は目だけで一瞬私を見ると泉美君に視線を移した。
泉美君は、にこやかに霧野君を見つめ返していた。
しばらく無言で見つめあってた二人だけど、
霧「はっ」
霧野君が人を見下した笑顔になった。
霧「趣味わりぃ」
嘲笑をにじませその一言だけ吐き捨てるとドアの方に向かって歩いていく。
あ(…って、今の趣味わりぃって私のことかな？)
軽く怒りを覚えてその背中を見つめていると、ドアの目の前で彼は振り返った。
霧「…それ、俺のおもちゃだからさ〜。…ね？」
顔は笑ってたけど目は笑ってなかった。
泉「…Aは、おもちゃじゃないよ」
霧「…」
泉美君、今さりげなく呼び捨てしましたね？
霧「…日合、後で覚えてろ」
あ「なんで私！？」
私の問いには答えず霧野君は屋上からいなくなった。
残されたのは、気まずい雰囲気の私たち―――。
・
泉「…日合さん、霧野君とどんな関係なの？付き合ってないだけじゃわからない」
あ(呼び方戻った…)
じゃなくて、霧野君との関係？
そんなの私が一番よくわかってないんだよね…
主従関係？(なわけ)
同じ部活の人？(納得してくれないだろうな)
友達…？
そうだ！この間晴れて友達になったんだ！
あ「友達！そう、友達！この間友達になったんだ！」
泉美君が「はぁ？」という顔をする。
あ「いろいろあってね〜やっとこの間友達に」
泉「いろいろって？」
あ「…秘密」
まさか今まで変装してたことで嫌がらせ受けてたなんて言えないし。
泉「でも友達じゃ納得できない」
ですよね〜
じゃあなんて？
――――……将来…結婚するかもしれない人？
自分で考えて、体全体が熱くなるのがわかった。
泉「……」
あ「あっついな〜ちょっとのぼせてきたかも！教室に帰ろ！」
顔が真っ赤になったのを昼間の太陽のせいにして、すぐに私は弁当箱を片付けて立ち上がった。
しかし、泉美君は立たなかった。
あ「泉美君？」
・
・
ガシャンｯ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海野莉那(プロフ) - イナアレオリさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！頑張ります！！ (2019年2月14日 1時) (
レス) id: 6de7cda624 (このIDを非表示/違反報告)
イナアレオリ - この作品好きですよ(*≧∀≦*)更新と続編頑張ってください(●´ω｀●) (2019年2月7日 18時) (レス) id: d676165323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：莉那 | 作者ホームページ：http://blogs.yahoo.co.jp/haruhi_0204mind
作成日時：2015年6月27日 23時
