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主に対して侮辱された寿の鶴丸は、岩融に羽交い締めにされても尚手足を暴れさせていた。
鶴丸『やめろっ、離せ!こいつ…!』
岩融『こら!やめんか!』
大和守「主呼んでくる!」
一方殴り付けられた東の鶴丸は、唇の端から血を流したまま黙って寿の鶴丸を見つめていた。
一期『も、申し訳ございませぬ…!うちの鶴丸殿が』
真っ白なハンカチを差し出して謝罪する一期に東の鶴丸は、いや、いいと言ってそのハンカチを受け取るのを躊躇った。
寿「おい!何してんだ!」
武道場にいた寿は、遠巻きに眺める奴らを押し退けながら鶴丸達の方へ駆け寄る。
寿「おい…国永!お前が殴ったのか!」
鶴丸『…っ、』
寿は鶴丸の肩を持って目を見据えながら揺さぶるが、鶴丸は一瞬動きを止めただけで、また岩融の腕から逃れようともがいていた。
そして、少し遅れて審神者も到着した。
審神者は岩融に羽交い締めにされたまま暴れる鶴丸と、赤く腫らした頰を押さえて唇から血を流している鶴丸を交互に見て顔を青くする。
審神者「ちょっ…自分同士で喧嘩?何があったの?」
獅子王『分かんねぇ。なんか口論してると思ったら、いきなりこっちの鶴丸が殴りかかって…』
獅子王がしどろもどろに説明すると、審神者は首を傾げて唸りながら言った。
審神者「んー…なんか色々事情ありそうだね。二人とも僕の部屋おいで。ゆっくり話そ」
寿「あ、俺も行きます!ちょ、一旦マジで落ち着いてくれって国永…ほら、行くぞ」
寿にたしなめられてやっと暴れるのを止めた鶴丸は、緩められた岩融の腕から出て、寿の後ろをとぼとぼと付いて行く。
それと同様に、東の鶴丸もゆっくり立ち上がって武道場の外へと歩いて行った。
貴方「…」
他の刀剣男士が練習を再開する中、相手がいなくなり、ひとり残されたAはその場にぽつんと立ち尽くすしかなかった。
物吉「Aさん」
物吉『練習、一緒にしましょう』
それを見かねた物吉達はAの方へ歩み寄り、ぎこちない笑顔で呼び掛ける。
正直、もう訓練などする気分ではなかった。
しかし物吉達の気遣いを無駄に出来るはずもなく、Aは物吉達に木刀を構え直した。
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます!これからも頑張りますぞ〜(*`・ω・) (2017年3月31日 18時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*^▽^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!鶴丸さぁあん!!!ついに....!ついに....!恋をした!!!!短編も楽しみにしとりますぞ!!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ!!!!続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月18日 11時