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貴方「…良い年して何してんの」
そう言いながらも、Aは無理に布団を剥がそうとはしなかった。
寿「だってよー…」
布団の中から篭った声が聞こえてくる。
貴方「だってじゃなくて、普通に考え過ぎでしょそれ。誰もそんな事言ってないし思ってないって」
寿「…」
そう言ってはみたが、布団を被っているせいで表情が読み取れない。
これ以上何か言っても何も変わらないだろう。
貴方「…まあいいや。とりあえずお粥食べて薬飲んで寝なよ。私も寝るから」
Aが立ち上がって襖を開けて立ち去ろうとすると、寿は突然がばっと起き上がってAを呼び止めた。
寿「A、」
貴方「ん?」
寿「…ありがとな」
寿は少し照れたように、ニッと笑った。
Aも微笑み返すと、部屋から出てゆっくり襖を閉めた。
貴方「よし、次」
Aは自室に戻らずに、真っ直ぐ審神者の部屋に向かった。
審神者の部屋の襖を軽く叩くと、思った通り審神者は普通に襖を開けた。
審神者「あれ…?寝てないの?」
貴方「いや、こっちのセリフだし」
何か良くないことがあった日は、審神者は遅くまで起きている。Aはそれを知っていた。
審神者の初歩的なミスで重傷者が出てしまった日や、長い間戦に出していた馬が出陣で死んでしまった日。
そんな日は眠れないのか、いつも生け花を夜通し続けている。
貴方「ちょっと聞きたいことあってさ」
審神者「聞きたいこと?」
入るよ、と言ってAは審神者の返事を待たずに部屋に入った。
新聞紙の上に広げられている花々を踏まない様、適当なところに腰を下ろす。
貴方「いや、なんで本丸が人里から離れたとこにあるのかなーって話聞きそびれてたから」
審神者「ああ、その話?」
審神者は、なんだ、と溜息を吐いて言ったが、Aが本当に聞きたいことはそれではない。
審神者「審神者って職業はね、基本的に世間には公開されてないんだよ。神通力見せたじゃん?そういう霊力が他人に悪用されたら大変でしょ。だから見つかりにくいとこに住んでるの」
貴方「へぇー」
ついでで聞いたつもりだったが、知らなかった事実にこくこくと首を振るA。
そして、審神者は浮かべていた笑みを顔から消し去り、Aに尋ねた。
審神者「それで…本題は?」
Aの表情が固まった。やはり審神者にはAの考えなどお見通しだった。
〜追記〜
そろそろ精神的にも肉体的にもガタが来てます( ˇωˇ )つらみ〜
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます!これからも頑張りますぞ〜(*`・ω・) (2017年3月31日 18時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*^▽^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!鶴丸さぁあん!!!ついに....!ついに....!恋をした!!!!短編も楽しみにしとりますぞ!!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ!!!!続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月18日 11時