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鶴丸「よ、よぉ」
鶴丸『よぉ』
二人の鶴丸はぎこちない笑みを浮かべて軽く会釈し合った。
鶴丸「どうした？何か悩み事か？」
鶴丸『こっちの台詞だ』
お互い自分と全く姿形なのだ。悩み事があるなんてことはすぐに分かる。
その悩み事の内容に関しては互いに薄々気付いていたが、あえてそれは打ち明けなかったし、問いただしもしなかった。
どうしても、怖いのである。
もし自分と相手の想い人が同じだったら、なんて考えるのは正直なところかなり辛い。
しかもその相手は自分と同じ鶴丸国永なのだ。自分同士での争いごとはいくら小さなものであっても避けたいのである。
鶴丸『まあ…どうせ夜中の徘徊が好きなじじい同士だ。たまにゃ一緒にどうだ？』
寿の鶴丸は、右手でお猪口を持つような仕草をしながら言う。
東の鶴丸もにやりと笑いながらそれに賛同した。
鶴丸「そうだな。それじゃ、ちょっと台所からくすねてくる」
ひらりと寝間着の裾をなびかせながら、東の鶴丸は台所の方へ早歩きして行った。
そして丸い盆にお猪口二つと徳利、燭台切が作り置きしていた小魚の佃煮を乗せて持ってくる。
鶴丸『つまみまで持ってくるとは。流石俺、気がきくな』
鶴丸「つまらん冗談だ」
鶴丸達はくすくすと笑い合い、お猪口に酒を注いで軽く縁を打ち付け合う。
酒は中々に度数の高いものだったらしく、鶴丸達の顔が赤く染まるまでそう時間はかからなかった。
しばらくお互いに無言で酒を胃に流し込んでいたが、ほろ酔いになった東の鶴丸はふと問い掛ける。
鶴丸「なぁ。…人間を好く、ということは…悪いことか？」
寿の鶴丸は、勢い良く酒を吹き散らかした。
鶴丸『っ…！…まさかお前も…』
鶴丸「ま、まだ何も言ってないぞ！」
夜中であるにも関わらず出してしまった大声に、東の鶴丸は慌てて自身の口を塞ぐ。
東の鶴丸は慌てて言った。
鶴丸「…お前も、ってことは…その…まさか」
鶴丸『いや、まあなんだ…いるんだろ？お前にも、想い人が』
鶴丸「…」
顔が真っ赤になっているのは、酒だけのせいではないだろう。
互いに恥ずかしくなってしまったのか、二人とも一息に酒を煽った。
「それは、Aのことか？」
突然の声に鶴丸達は二人揃って、酒を吹き散らかした。
彼等の後ろで、口に手を当てながら笑っているのは三日月だった。
〜追記〜
甘いよー！！甘ったるいよーーーーﾔﾀﾞー！！！
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます！これからも頑張りますぞ〜(*｀･ω･) (2017年3月31日 18時) (
レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*＾▽＾*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！鶴丸さぁあん！！！ついに....！ついに....！恋をした！！！！短編も楽しみにしとりますぞ！！！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ！！！！続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月18日 11時
