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鶴丸「いやぁ…これは驚いたぜ」
鶴丸『何故、君もここに？』
鶴丸達は苦笑いしながら、口元を手の甲で拭う。
同様に寝間着姿の三日月は、鶴丸達を見下ろす形で言った。
三日月「いや、理由は概ねお前達と同じだ。じじいは夜中の徘徊が好きなものでな。そうだろう？」
はっはっは、と相変わらずの笑い声を上げる三日月に、鶴丸達は苦笑いを重ねるしかなかった。
そして笑いにひと段落つくと、三日月は本題に戻る。
三日月「それで、だ。お前達はAのことを好いているのだろう？違うか？」
東の鶴丸は徳利を掴んでお猪口に並々と注ぐと、一気にそれを煽って、溜息と一緒に言葉を零した。
酒の勢いでもう話してしまえ、という考えなのだろう。
鶴丸「…そうだ」
三日月「そちらはどうだ？」
鶴丸『俺も…だな。多分』
寿の鶴丸も、東の鶴丸と同じように酒を煽った。
徳利の中身はもう空っぽになっていた。
三日月「はは、それは困ったことだな」
三日月は二人の間に置いてあった盆を後ろにずらし、そこに自身も座って縁側から足を下ろす。
小皿に残った佃煮を口に入れて三日月は言った。
三日月「三角関係か。まだ若いな、鶴丸爺さんや」
鶴丸「人が真剣に悩んでいるというのに、君ってやつは…」
三日月「む？人ではなかろう？」
鶴丸『屁理屈はよしてくれ、こんな時に』
三日月の冗談に呆れ顔で受け答えする鶴丸達だったが、実のところ二人とも三日月の介入に安心していた。このまま二人きりで会話を続けていても気まずいだけなのである。
三日月「まあ、この本丸におなごはA以外居ない訳だ、些細なことで惚れるのも仕方ないか」
鶴丸『俺達がちょろい奴等だと言いたいのか？』
三日月「どうだろうな」
鶴丸「おいおい…」
三日月は不満気な鶴丸の声を軽く受け流し、あなや、酒はもう無いのか、残念そうに言って徳利を逆さまに振る。徳利を盆に戻し、月を眺めながら三日月は静かに言った。
三日月「人間に恋をするのは悪いことではないぞ。ただ、気を付けた方が良い。色恋沙汰に気を取られて本業を忘れてしまうということほど、刀剣として愚かなことは無い」
そして三日月は立ち上がって、にこやかに言う。
三日月「さて、俺はそろそろ部屋に戻るか。最近三条の大太刀に、君の夜中の徘徊は危なっかしいと文句を言われてしまったからな」
去って行く三日月の背中を見届けた後も、二人の鶴丸はお互いずっと黙ったままでいた。
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます！これからも頑張りますぞ〜(*｀･ω･) (2017年3月31日 18時) (
レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*＾▽＾*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！鶴丸さぁあん！！！ついに....！ついに....！恋をした！！！！短編も楽しみにしとりますぞ！！！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ！！！！続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月18日 11時
