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町までは、本丸から徒歩で一時間ほどかかる。
この前乱に『町行ってショッピングしよ!』と誘われて話に乗ったのはいいものの、炎天下の中で歩いた一時間の道のりはまさに地獄だった。
真夏を過ぎた夕方とは言え、残暑でまだまだ気温は高いのである。
Aは玄関に行く前に台所を訪れ、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを三本ビニール袋に入れた。ついでに追加のタオルも詰め込んだ。
本丸の門を出たAは、一度辺りをきょろきょろと見渡す。
しかし、もう審神者の姿は見えない。人ひとり背負っているくせに足の速い奴だ。
先に町に着いて医者のところまで行かれたら、自分は医者の場所が分からないため財布を届けられない。
Aは小走りで町の方へと駆けて行った。
この辺りは本当に何もない場所だ。
何もないわけではない…木や花などはぽつぽつと生えているのだが、建物などは全く見当たらない。
貴方「なんでこんなとこに本丸作るの…バカでしょ…」
Aはつい、そんな文句を漏らす。
もっと町の近くに作れば、こういう時だって苦労しないのに。
***
審神者達は、案外すぐに見つかった。
周りに視界を遮るものが無いため、簡単に周囲を見渡せるのだ。
二人はその場で止まっているのか、距離はどんどん縮まっていった。
審神者は寿を降ろし、荒く息を繰り返す寿の背中をさすっていた。
審神者の服の肩の部分は赤黒く染まってしまっている。地面に置いてあるタオルも同様だ。
寿の側の地面には、掌ほどの血の染みが出来ていた。
審神者「あ、来た来た。ごめん、他の子には頼みづらくってさ」
貴方「まあ、このくらいは…あとこれ。ぶっ倒れるよ」
審神者「あ、ありがとう。寿飲める?凄い汗かいてるから、少しくらいは飲まないと」
審神者はペットボトルの蓋を開けて差し出すが、寿は苦しそうに唸りながら首を横に振った。
審神者「…流石に無理か」
とりあえず頂くね、と審神者はそのペットボトルの水を一気に自身の喉に流し込む。
そして袖で軽く口を拭って言った。
審神者「とにかく急がなきゃ…水分も摂れないとなると結構危ないよね」
審神者は寿を背負い直して町の方に歩み出そうとしたが、Aの方を振り返ってひとつ頼み事をした。
〜追記〜
テストしんだ\(^o^)/
イラスト載せたいんだけど何故かエラーして載せられない…もうしばらくお待ちを…!
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます!これからも頑張りますぞ〜(*`・ω・) (2017年3月31日 18時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*^▽^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!鶴丸さぁあん!!!ついに....!ついに....!恋をした!!!!短編も楽しみにしとりますぞ!!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ!!!!続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月18日 11時