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貴方「!!!」
慌てて扉を閉めようとするが、短刀はテコのようになって扉を押し返そうとしてくる。
それに気づいた他の五人は覆い被さるようにして扉を押さえ付けた。
寿「畜生、しつけーな!」
だが、その抵抗も無意味だったらしく、五人は突然勢い良く弾き飛ばされた。
短刀の後ろにいた大太刀が扉に向かって体当たりしたのだ。
燭台切『皆!大丈夫!?』
全員受け身を取っていたため目立った怪我は無くて済んだが、開け放たれた扉からは短刀が悠々と入ってくる。
六人は慌てて立ち上がって奥へ逃げたが、生憎Aの家はごく一般的な民家である。あっと言う間に部屋の最奥部に着いてしまった。
じりじりと近づいてくる時間遡行軍の短刀達。
大倶利『どうする、逃げられないぞ』
押入れの戸に背中を付けて大倶利伽羅が呟く。
Aは時間遡行軍に向かって、そこにあったテープカッターを投げ付けたが、簡単に避けられてしまった。
殺される。
そう思ったところで、鶴丸が腰元に手を当てて言った。
鶴丸『くそ、本体さえあればな…』
貴方「…あ」
それでAは思い出した。
押入れの奥にある、『本体』のことを。
貴方「どいて!」
大倶利伽羅を押しのけて、押入れを開ける。
引き出しの中をひっくり返して、写真や大量の石の中からAが見つけたのは、茶色い皮の鞘に納められた包丁だった。
燭台切『あ、それって…』
Aは慣れた手付きで鞘から包丁を抜くと、短刀に斬りかかった。
五年振りの感覚に懐かしさを覚えながら、Aは怯んだ時間遡行軍から短刀を奪い取ると、それを太鼓鐘に渡す。
貴方「短刀は一番慣れてるでしょ!」
太鼓鐘『おうよ!』
太鼓鐘とAは、また玄関から入ってきたらしい打刀に向かって刃を振り下ろした。
だが相手の練度はかなり高いようで、中々倒れようとしなかった。
すると、Aの目の前の空間が一瞬揺らいだ。
寿「来た!」
その空間に口を開けるのは、五年前にも見た黒い狭間だった。
鶴丸『入るぞ!』
鶴丸の声に、他の五人も狭間に向かって駆け込む。
全員が入り終わった瞬間、狭間はその黒い口をぴったりと閉ざした。
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時