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貴方「ちょっ…」

太鼓鐘『あーもしもし、お師匠さん?』


太鼓鐘から端末を取り返そうとするが、短刀の長所である機動力でひらりとかわされる。


審神者「ん?あれ?太鼓鐘かな?」

太鼓鐘『そ』


突然の太鼓鐘の行動にAは訝しげな顔をしながらも、大人しく見守っておくことにした。


審神者「どうしたの?」

太鼓鐘『いやちょっとな。今の話で気になったとこがあって』

審神者「今の話?」

太鼓鐘『そう。主のことなんだけど。さっきAが立ち直れたとか言ってたけど、多分主、だいぶ無理してるぜ?』

審神者「えっ?」


その言葉に、Aははっと胸を突かれる。


太鼓鐘『やたら明るく振る舞ってるけど、誤魔化してんのが何となく分かんだよな。なんか目が笑ってないっつーか、まだなんか落ち込んでるっつーか?』

審神者「…そっか。そういえば寿、そういうタイプだったね。自分だけで抱え込んじゃうようなさ」

太鼓鐘『そーそー。ボーッとしてる時間もやたらと増えてるし』

審神者「うん…分かった。なるべく心身共にいたわってあげてね。あ、だからと言って『悩み事があるのか』とか直球で言ったらダメだよ。寿のストレスが減るように、かつ遠回しにね。そういうタイプの子は、自分の悩みに気付いて欲しくないってことが多いから」

太鼓鐘『おぉー流石お師匠さん。分かった、こっちでも出来る限りやっとく』

審神者「うん、頼んだよ。それじゃ」

太鼓鐘『はいはーい』


太鼓鐘は慣れた手付きで通話終了の欄をタップし、そのまま短パンのポケットに滑り込ませた。
そしてAの方を真顔で見つめて言う。


太鼓鐘『ひょっとして、気付いてなかったのか?』


流石のAもこれにはうろたえるしかなかった。
太鼓鐘の目の奥にどんな思いが隠れているのか、Aには分からない。
口調からして怒っているのだろうか?

そんなAの思考を何となく察したのか、太鼓鐘は明るい笑顔を作って言った。


太鼓鐘『いや別に、お前を責めようって訳じゃねーからそんな顔すんなって。俺達の方が過ごした時間は長いんだから当然だろ?」


貴方「とは言ってもさぁ…なんか悪いことした感」

太鼓鐘『まーまー。主は弱いとこ全部隠したがる奴だし、適度に気付かないくらいが丁度良いんじゃねーの?ただの自論だけどさ』


彼はかつての寿を知らないが、主に対する敬意と思いやりの心は皆と同じくらいあるのだろう。
太鼓鐘の態度はAにそう感じさせた。

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女主   
作品ジャンル:アニメ
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は……  グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年9月19日 21時

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