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ラウンド3☆一期視点☆ ページ4

今日、新しい審神者がやって来る。
そう聞いた時に渦巻き始めた感情は、喜びとも悲しみとも言えない複雑なものであった。

私は、一期一振。
粟田口唯一の太刀。
この本丸でかれこれ五年ほど生活している。

新しい審神者が来る。
今までは違う男審神者がこの本丸を仕切っていたのだが、その審神者は一ヶ月前に処分された。

理由は、職務の怠慢と刀剣男士達への虐待だった。

初めは真面目に職務をこなしていたが、日が経つにつれて刀剣男士を下人のようにこき使うようになり、出陣も遠征もさせなくなった。
そればかりか、少しでも気に入らないことがあると刀剣男士に暴力を振るうようになり、もはや自分達では手の施しようが無かったのである。
多分、一般人が持ち合わせていない霊力を持っていると判明したことで、優越感のようなものが生まれてしまったのだろう。

だが勿論そんな生活も長く続かず、やがて戦に出ていないという情報が政府の元に流れ、彼はそれ相応の罰を受けて審神者を辞めることに決まった。


その頃には、この本丸の刀剣男士達の心は荒んでしまっていた。


暴力を受ける毎日で、人としての感情も、刀剣としての尊厳も、全てを失っていた。


本丸の審神者がいなくなったら、刀剣男士達は顕現する為の霊力を失って刀剣の姿に戻る。
人の肉体を失うということは死に等しい。

全員がそれを悟って覚悟していたが、元審神者が辞める直前、政府の管狐にこんなことを言われた。


「最後にひとつだけ、刀剣男士としてのお仕事を頼めないでしょうか?」


皆から肯定する声は中々出なかった。
この本丸を再建するには、あまりにも遅過ぎる。
全員がそう思っていたのだ。

しかし、狐が次に発した言葉はあまりにも衝撃的なものだった。







「仕事は…新しい審神者殿を、殺すことです」







「…え?どういうこと?」


一番長く滞在している加州がぽかんとした顔で尋ねると、狐は淡々と言った。


「言葉の通りです。本来なら貴方がたは消滅せざるを得ない存在。しかし、この世の為に犠牲となる道もあります。如何致しますか?」

「そうじゃない、そうじゃなくって。何の為に、人間を殺さなきゃならないんだよ」

「殺さねばならない理由はひとつ。あの方…Aという名の新しい審神者は、



生霊の類いだからです」

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女審神者   
作品ジャンル:アニメ
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 18時

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