ラウンド29☆青江視点☆ ページ30
自室で目を覚ましたのは、悪霊退治作戦から丸三日経った夕方だった。
目覚めたその瞬間は朝起きるのと同じ感覚ではあったのだが、枕元に座っていた陸奥守が大慌てで部屋を出て行ったことだけが、いつもの目覚めと違っていた。
自分は一体何をしていたのだったか。
記憶を手繰ろうとしても、ぼんやりとした頭では中々思い出すことが出来ない。
しばらくすると、部屋に獅子王と石切丸が入ってきた。
獅子王は安堵と心配を顔に浮かべて青江に話し掛ける。
「青江!良かった…」
「獅子王君。僕は一体?」
「こっちが聞きてーよ。何があったんだ」
「うーん…ごめんね、まだちょっと思い出せなくて」
自分の身に何が起こったのかはまだ分からないが、少なくともこの二人が自分のことを心配してくれている、ということだけはよく理解出来る。
額に手を当てて必死に思い出そうとする青江に、石切丸は優しく呼び掛けた。
「ああ。慌てなくて良いよ。その間に粥でもこさえて来ようか、目覚めるまで何も口にしていないし…」
「あーっと石切丸、それは燭台切に頼もう!いや頼め!あんたはダメだ!」
石切丸の親切心を、慌てて踏みにじりに掛かる獅子王。
少し不満そうな顔をする石切丸だが、彼が超の付くほどの料理下手だということは青江もよく知っている事実だ。
下手であることを自覚し、積極的に練習しようという心掛けだけは良い。しかし圧力鍋に卵をそのまま入れて大爆発させ、数名を手入れ部屋送りにしたその日から、石切丸は台所出禁になっているのである。
「うーん、納得いかないね…それで、青江さんはどこまで覚えているんだい?」
「ええっと、悪霊退治をすると言って、主の部屋の前で待ち伏せて…それからがちょっと」
そんな青江に、獅子王は一連の流れを伝える。
「そうか…一応教えとくか。あの日、ちょっと明るくなってきたくらいの頃、主の部屋の方から音がしてさ。俺ら、青江が一人で退治したのかなーって思って行ったんだよ。そしたらお前だけ廊下に倒れてて、主は自室でぐっすり」
「あの日って…僕は何日眠っていたんだい?」
「三日だ三日。主も多分もうすぐ来るぞ。あ、あの人にゃ『青江が酔っ払ってたから俺がぶん殴った』って言ってあるから、その辺頼むな」
「えっ、ちょっと…」
淡々という獅子王に青江は様々な疑問を投げ掛けようとしたが、その時誰かが部屋の襖を開けた。
〜追記〜
やっと更新できました、最近色々忙しいです…
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月6日 18時