ラウンド14 ページ15
我を忘れて刀剣を振るい続けていると突然、背後から右腕を掴まれた。
突然締め上げられた右腕の力が抜けてしまい、刀剣が奪われる。
慌てて振り返ると、そこには骨喰がいた。
「そこまでにしておいた方が良い。無駄だ」
「っ、離せよっ!早くしないと…」
そう言ってAに目線を落とした時には、もうAの身体は再生を始めていた。
床や柱、襖に飛び散った血はみるみるうちに消えていく。Aの切り傷は、徐々に繋がっていく。
「あぁ…だから言ったじゃん…」
加州は無気力に口から零した。
骨喰はそんな加州を表情ひとつ変えずにただ黙って見ている。
その態度に腹が立ったのか、加州は骨喰の胸ぐらを掴んで叫んだ。
「お前っ!あともう少しだったのに!」
「くっ…だから、殺しても意味は無いと…」
骨喰の表情に焦りが浮かび始めた時、Aが目を開けた。
起き上がったAは二人と自分の体を交互にを見てながら、恐怖に顔を引きつらせていた。
腰が抜けてしまっているのか、床に手を付けたまま後ろに下がろうとしている。
「な…なん、…」
胸ぐらを掴まれたまま硬直していた骨喰は、加州の手を力任せに剥がすと、Aに右手を差し出した。
しかし、Aは怯え切った目をして震えるだけで、骨喰の手を取ろうとはしない。
その間、加州は床に転がった自身を黙って鞘に納めていた。
Aの様子に骨喰は手を下ろし、静かに言った。
「…あんたについて、色々と聞きたいことがある。大広間で待っているぞ。加州、あんたも来い」
「…何さ偉そうに。はいはい、戻ればいーんでしょ、戻れば。選択肢なんてどうせ他に無いんだし」
二人はAに背中を向けて、大広間へ向かって歩き出した。
廊下にひとり残されたAは、じっと床を見つめたまま呆然とする。
その床に広がっていた筈の血溜まりは、忽然と姿を消していた。
〜追記〜
うわーいテスト終わったー\(^o^)/
194人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月6日 18時