ラウンド25 ページ26
布団に入ってから暫くすると、誰かが部屋の襖を開けた。時刻は午前二時過ぎ。こんな時間に一体誰なのだろうか。
眠りかけていた上半身を起こし、天井から垂れている紐を引っ張ると、酒で頬をほんのり赤く染めた鶴丸が照明に照らされた。
風呂上がりだろうか。真っ白の髪は濡れ、床にぽとぽと水滴を垂らしている。
「おっと、すまん。起こしたか?」
「…いや、別に構わねーよ…どうした、こんな時間に」
明らかに寝起きな獅子王を見て、流石に鶴丸も申し訳なく思ったのか遠慮がちに答える。
「ええと、大した用じゃないんだがな。お前、まだ風呂に入っていないだろ。そろそろ湯が落とされるぞと教えに来ただけだ」
「あ…忘れてた」
そうだ。風呂。
あれこれ考え事をしていたお陰ですっかり忘れていた。
だが今日は色々な事が起こり過ぎて疲れている。今の獅子王に風呂まで行く気力は無い。
「んー…まあいいや、朝にシャワー浴びる」
「そうだ、あともうひとつ」
鶴丸は、右手の人差し指を立ててにこやかに笑いながら言った。
「今日、やっとまともに食えたじゃないか」
つい先程まで考えていたことを指摘され、少しだけ鼓動が早くなる。
鶴丸は部屋の中に入って襖を閉めると、鵺の側に腰を下ろした。
「いやあ、驚いたぜ。お前があんなに楽しそうに食ってる姿を、また拝めるとはな」
「え?」
そんなに、楽しそうだったかな。
「一時はどうなるかと思ったが…いきなり食えるようになるなんて、何か良いことでもあったのか?」
「んー…今日、新しい主来たじゃん?あの人見てたらなんか、安心したっつーの?…あー…言い表し辛いな」
「はっはっは、そうかそうか。まあ良い。もう残り僅かの人生だ、少しでも楽しんでおけ。ああ、そう言えば…」
頭をわしわしと掻いて苦い顔をする獅子王に、鶴丸は声を上げて笑うと、ふと思い出した様に言った。
「さっき大広間で、今晩主を襲う?とか、そんな話を聞いたぞ」
獅子王の表情が固まった。
それはつまり、審神者を、俺の主を、殺す計画?
殺すふりをするんじゃなかったのか?
主はもう死んでしまうのか?
そんなの…そんなのって。
「寝込みでも襲って殺すんじゃないか?多分その方がお互い…って、おい!獅子王!?どこ行くんだ!」
獅子王は無意識のうちに部屋から飛び出し、廊下を駆け抜けていた。
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月6日 18時