少年期97 ページ20
ナルトとの戦いはサクラとカカシの邪魔が入った。
だが、貯水タンクの崩壊具合を見てオレが勝ったと思った。
おごりだった。
ナルトのあの術はなんだ…!
ナルトが術を当てた貯水タンクの裏側が大きくひしゃげているのを見て、オレは思ってしまった。
オレはアイツより弱い。
「くそっ……!」
あの後カカシがわざわざ言いに来た。
"復讐なんてやめとけ、たとえ成功したとしても残るのは虚しさだけだ"
"もう 大切な仲間が見付かっただろ"
"何のために使う力かお前なら分かってるハズだ"
カカシの言葉を思い出すと同時に先程接触してきた大蛇丸の遣いだという音の四人衆の言葉を思い出す。
"何かを得るには何かを捨てなければならない"
"この里はお前にとって枷にしかならない"
"お前の目的はなんだ?"
「オレの目的はただ一つ。」
サスケは瞳を見開く。その瞳は不完全ながらも赤く強く輝く写輪眼を宿す。
「イタチを殺す…!」
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サスケは驚く。
たった一人の家族と呼ぶべき少女が自室で眠っていたからだ。
彼女の自室から漏れ出す、ベッドのサイドテーブルのナイトライトの灯りを頼りに彼女の自室まで向かう。
襖を少し開け、サイドテーブルに置かれたコップと薬のゴミを確認すると少しだけ息をついた。
「やはりこの里はオレの枷にしかならない…」
サスケは思った。
今彼女が起きていて、『おかえり』といえば、きっと自身は「ただいま」と返し、普段となんら変わりない日常に戻ってしまうと。
サスケは自室へと歩を進め、リュックに必要な物を詰め込むと、再び彼女の部屋の前に立つ。
先程2センチほど開けた隙間に指をかけ、ゆっくり静かに襖を開けると、同じように彼女に歩み寄る。
ギシ……
彼女が眠るベッドが、サスケが腰掛けたことにより軋む。
サスケは優しく、優しく、優しく、彼女の頰に触れる。睡眠薬を飲んでいることはわかっている。起きないことも理解している。それでも優しく、
サスケは名前の顔に自身の顔を近づける。
「名前……、ありがとう…、愛してる。……サヨナラだ…」
名前の耳元でそう囁くと、ゆっくりと頰に添えられた手を滑らせる。
指先が離れるその瞬間まで、彼女の安らかに眠る顔を見つめる。
愛する家族。
「オレにとっては、……ただの枷だ」
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里奈 - 2部出来ましたら、URLをお願いします!2部楽しみにしてます! (2019年7月24日 19時) (レス) id: 167fdf8826 (このIDを非表示/違反報告)
雄飛~Yuhi~ - 我愛羅が凄く好きなので、我愛羅との絡み、楽しみにしてます!!!!更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています!!!!!!! (2018年12月22日 23時) (レス) id: 17482f2c04 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - 面白いです!続き楽しみにしています。更新頑張ってください!(≧▽≦) (2018年11月4日 19時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - ベコさん» レスボタンが押せました!コメントありがとうございます(`・ω・´)気長にお待ちいただけたら嬉しいです。私も我愛羅大好きなのでもっと出せるように頑張ります! (2018年9月3日 0時) (レス) id: bb6660352e (このIDを非表示/違反報告)
ベコ(プロフ) - 更新頑張って下さい!凄く楽しみに待ってます! (2018年8月6日 9時) (レス) id: 7f4e6905fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2018年6月2日 12時