少年期89 ページ12
岩で作られた家がたくさん立ち並ぶ集落が見える。
その手前の大きな岩に烏はゆっくりと舞い降りた。
『んー！』
5時間も同じ体勢だったことから、グッと伸びをする。
ここまで運んできてくれた鳥の羽を優しく撫でる。
『ありがとう、
その言葉を聞いて大きな黒い鳥はポンっと煙を上げて姿を消した。
ザッ……
『！』
砂を蹴る音がする。
「待っていたぞ…名前」
『我愛羅…』
ゆっくりと砂を掻き分けるように歩を進める。
差し出された右手に左手を重ねる。
優しく、まるで壊れ物を扱うようにとても優しく握られる手に泣きそうになった。
『怪我は…？』
我愛羅「…まだ少し痛むが、心配ない」
『私が後で診るわ…』
我愛羅「助かる」
木ノ葉崩しは本意でなかったとはいえ、一時は敵同士として向かい合ったのだ、どこか少し気まずさが漂う。
『…ナルトは…、彼はきっと私達にとって、無くてはならない存在になる…我愛羅もそう思わない？』
勇気を出して我愛羅の顔を見るために勢いよく視線を上げて、微笑んだ。
『…っ！…』
浮かべた微笑みは一瞬で消えてしまう。
『どうして…？なんで泣くの？我愛羅…』
目の前の最愛の人間が一筋涙を流していたから。
我愛羅「俺は…お前が好きだと言ったものを壊そうとし……、お前の家族を傷つけ、お前の友を……殺そうとした」
重ねていた手に力が入る。だが決して強すぎず、先程と同じように壊れないように、傷つかないように、その思いが伝わる握り方だ。
『我愛羅…。私のことを愛してる？』
我愛羅「…愛している」
『テマリ様やカンクロウ様、ナルトと…これから先どうなりたい？貴方以外の存在を今でも殺してしまいたいと思う？』
我愛羅「他者との関わりを…、これから先どうしていけばいいのか今の俺にはまだわからない。だが……うずまきナルトとは…友という間柄になりた……」
ガバッ
我愛羅の言葉を最後まで聞くことなく、ギュッと首に手を回して抱きしめる。
『我愛羅、それはね、それは、愛の始まりなんだよ。
他人を知って、敬って、助けられて、支え合って、そうして人間はいろんな愛を育んでく。兄弟愛、親愛…最愛……木ノ葉崩しはきっと、我愛羅にそれを与えてくれる為に必要なものだったんだよ』
少し離れて我愛羅の目を見る。
乾いた涙が白い肌に跡を残している。
『愛してる』
キスは、涙の味がした。
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里奈 - 2部出来ましたら、URLをお願いします！2部楽しみにしてます！ (2019年7月24日 19時) (
レス) id: 167fdf8826 (このIDを非表示/違反報告)
雄飛~Yuhi~ - 我愛羅が凄く好きなので、我愛羅との絡み、楽しみにしてます！！！！更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています！！！！！！！ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 17482f2c04 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - 面白いです！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！(≧▽≦) (2018年11月4日 19時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - ベコさん» レスボタンが押せました！コメントありがとうございます(｀・ω・´)気長にお待ちいただけたら嬉しいです。私も我愛羅大好きなのでもっと出せるように頑張ります！ (2018年9月3日 0時) (レス) id: bb6660352e (このIDを非表示/違反報告)
ベコ(プロフ) - 更新頑張って下さい！凄く楽しみに待ってます！ (2018年8月6日 9時) (レス) id: 7f4e6905fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あめ | 作成日時：2018年6月2日 12時
