22話 副作用 ページ22
【検査室】
と書かれた扉が人を感知して自動的にスライドして開く。
城戸、鬼怒田は迅を先頭にその扉の中へと入って行く。
迅「どんな感じですか？」
迅は白衣を着てモニターを見つめる男性に問いかける。
「前例はありませんが
モニターの奥にはマジックミラーがあり、その室内で頭と両手の親指に電極をつけられた少女と白衣を着た女性となにやら話し込んでいる。姿は見えるが、音声は聞こえない。
回転椅子を後ろに向け、白衣の男性は神妙な面持ちで3人を見やる。
城戸「なんの
「このモニターを見てください」
回転椅子を少し横にズラし、城戸、鬼怒田、迅に見えるようにモニターも角度を調節する。
「これは、人間が持っているトリオンの平均値を指すメーターです」
モニター1番左端には長方形のメーターが画面の半分より下ほどまで伸びている。
「そしてこっちが彼女の…」
その右にはマジックミラー越しに見える少女のメーターが。
鬼怒田「常人の3分の2もないではないか！」
「ええ…しかし… (ピッ)…頼む」
モニターの横のマイクにボタンを押しながら話しかける。
中の白衣女性は右耳に一瞬手を当て、頷く。通信機を右耳につけているようだ。
モニター横の小さいスピーカーから中の音が聞こえるようになった。
《鈴宮さん、どうして
Aは少し考える素振りを見せる。
【ピッ ピッ ピッ ピッ…】
途端にモニターのメーターが高さを伸ばしていく。
城戸と鬼怒田は目を見開いた。
スピーカーからは少女の嬉々としたような明るい声で何故門が開くのか、なぜ近界民が来るのか、公言されている事実も含みつつ、自身の考えなども交えた発言が聞こえてくる。
メーターは常人の平均値をゆうに越え、画面から振り切れようとしている。
鬼怒田「こ…これはどういうことだ？！」
「(ピッ)…次だ」
マイクに白衣の男性が話しかけるとまたもや中の女性が頷く。
《なるほど、面白い考えね。じゃぁ、1×1はどうして1なのかしら？》
【ピッ……ピッ……】
途端に減少していくメーター。
はじめに見た常人の3分の2よりやや少ない値で止まる。
『それはそうとしかいいようがありません』
《そうよね…》
白衣を着た男性はスピーカーのスイッチを切る。
「トリオン思考比例体質……我々はそう名付けました」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼夜(プロフ) - 風間さん、カッコイイですｂ 応援してますー頑張って下さい＾＾ (2016年7月18日 0時) (
レス) id: 8db51137d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あめ | 作成日時：2015年12月12日 0時
