相方の余命は1ヶ月。【スカイピース】 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:9,883 hit

選択ページ3

驚いて、診察室を飛び出してきてしまったけれど、大丈夫だったのかな＿？

少し、後悔しつつ、テオくんが居るという病室へ向かう。
俺が診察室で話を聞いてる間に、テオくんの一時的な治療は無事終わったらしい。

じん「まずはみやの事、呼ばなきゃ、、、」

スマホを取り出して、LINEを開く。
みやかわくん、と書いてある文字をタップし、通話ボタンを押す。

みや「あー、もしもし？じんたん？」

じん「…っ、みやっ…」

みや「じんたん？なに？泣いてんの？」

みやの声を聞いたら、なんだか安心して。
涙が自然と溢れてくる。

じん「みやっ、ちゃんと、真面目に、聞い、てっ、、、」

みや「なんだよ」

じん「テオくんはっ、テオくんはっ、ガンなのっ、、、」

みや「…は？じんたん何いってんの？
俺、一昨日テオくんと一緒にフットサル行っ」

じん「違うの！！本当にガンなのっ！！
俺だって、俺だってこんな事、信じたくないよ、、」

みや「でもっ、ガンでもたくさん種類があるわけじゃん。
移植とか抗がん剤治療とかすれば、どうにかなるんじゃないの？」

じん「っっ、お医者さんは、テオくんはっ、テオくんはっ、治療の方法は、もうっなくて、、、」

みや「…」

じん「移植も、意味がなくてっ、、、
肺とリンパ節にも転移してるって、、、」

みや「…」

じん「しかもね、余命宣告までされたのっ、、、
長くて1ヶ月しか、テオくんは生きられないのっ、、、」

みや「…」

じん「みや、今すぐ俺たちの家の通りにある病院に来てっ、、、
待ってるから、、、
じゃあ、ね」

みやの反応が怖くて、電話を切ってしまった。

みやもきっと、俺と同じように信じられないんだろうな、、、
俺もまだ、心のどこかで、“夢”なんかじゃないかって思ってる。

みやのことを迎えにいくために、1階のロビーへ向かう。

ナースステーションの前を通り過ぎようと思った時、さっきの看護師さんらしき人の声が聞こえてきた。

『でも、気の毒よねぇ。寺島さんっていう新しい人が入ってきたんだけど、入ってきたらすぐ余命宣告よ？
しかも、抗がん剤治療もきかないステージまできたゃったって。』

『えー、可哀想、、、。
でも、横紋筋肉腫だったら、ステロイド剤とかなら効果あるかもよ？』

『んー、まぁ五分五分ってとこよね。
もっと大きい病院に行けば、治療してもらえるかもね。』

ステロイド剤…

この会話を聞いて、少し希望が見えたような気がして嬉しかった気もした。