検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:12,372 hit

悔しさ滲み ページ38

『だって、完全に一方的でしたし。ゆづは本当に、理不尽に…』

「へぇ。俺は新人ちゃんのそういう所は嫌いだなぁ」

『なっ…』

「ははは。怒った」


ヘラヘラと。
やはり、ゆづに対するイラつきは未だに残っているらしく、このままでは惠さんにすらあたってしまいそうだ。


「逆に、案外遠慮がない所は気に入ってるよ。君が結弦に言った言葉は長所のそれじゃないかなぁ」

『長所は、時に短所になります』

「そうやって謙虚に生きてきたから、満江を殺すことになったんだろうね」

『………ッ!!』


「……また、怒った」


今度は目を細めて。
全て、見透かすように。

触れられたくない所だった。
自分が目を逸らしていたから、忘れようとしていたから。


「でも、結局自分の手で殺したんだからやる時はやるよね。…それも結弦の言葉があったからなのかな?」

『いい加減に、してください…』

図星の言葉に、怒る気力すらわかない。

「新人ちゃんは、自分の意思じゃ動けない悪い子だっけ?」


ずい、と顔を近づけ嘲る。
私が手に持ったトイガンを、彼の胸に当てて。


「気に食わないもの……悪は殺す。そういう世界だよ」

『それは、悪じゃ……ありません』

「ホント、そういうところだよ」


そういうところが何なのか。
私には知る由もない。


『……惠さ__』

「はっけーーん!!」

「お、」



唐突に。

上から降ってきたのは、夕日ちゃん。



『わっ…!?』

「よし、捕まえました!」


満面の笑み。
銃口を向けたまま、撃つ気配はない。


『…っ!』

「力にはそこそこ自信があります!」


押さえられた手首。
力が強くて、振り解けない。



パシュ、という音とともに銃弾が私の横に飛んだ。
方向からして…春日くん。

だけど…偶然に外れたとは思えない。
彼の射撃の腕。それに…恰好の的である夕日ちゃんの挙動。真夏さんや透さんが来る気配もない。

銃は私の下敷きとなって取れそうもない。
取れるのは、右ポケットのスマホくらいだ。


相変わらずの笑顔で見つめる惠さん。
そして、夕日ちゃんが口を開く。


「これは、春日にしか効かない戦略ですが、それでも今後の対策になるでしょう。彼は私に銃口が向けられません」

『……え、』

「夕日の右手を奪ったのは春日ですから」


ずしりと、重い言葉。
あまりの衝撃に、開いた口が塞がらない。



「どうするの、俺の嫌いな新人ちゃん?」



今の私は嫌いだと、追い討ちをかける言葉に…私は唇を噛んだ。

6月18日→←チャンス



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , リナ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年11月25日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。