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言い忘れのプロ ページ27

「…お帰りなさい!お二人とも!」

「お帰りー」


帰ると、事務所にはみんなが揃っていた。
今日の夕食は透さんの手製だ。

「そうだ、夕日ちゃんと春日くんって辛いの平気?」

「透、俺はダメだからね!」

「知ってます」

家族みたいな会話が繰り広げられる中、私は今日買ってきた武器一式を取り出していた。
銃、弾、ホルスター…その他諸々。
ただ、基本的に持ち歩くのは銃と銃弾くらいだ。

銃を使う状況に直面する時、いつでも十分な装備があるとは限らないから。
なるべく装備の薄い状態に慣れておく、という趣旨だ。


「…ふぅん、ベレッタか」

『はい。…何でしたっけ、アルファベットとか数字とか書いてある奴です』

「まぁ、別に種類分かんなくても大丈夫だけどね」


広げた荷物を見て、惠さんが覗き込む。
咲間さん曰く、女性向けで装弾数もそこそこで値段が高すぎない優れ物、らしい。
今回はゆづが勝ち取った合同授業の優勝商品で買ったものだから、値段は気にしなくて良いんだけれど。

「これ、【Shade】で買ったんだよね?」

「……」

『そうですよ。咲間さんが丁寧に教えてくださって。……どうか、しました?』


銃の入った箱を見ながら、惠さんは尋ねた。
…だけど、その様子がいつもよりほんの少し違ったような気がして、私は彼の顔を覗き込んだ。


「…いや。咲間さんがさ、俺に選んだ銃もベレッタのこれと違う型だったんだよね。……それだけ」

「それだけ、…って」

「どーした、結弦?」


……あれ。
何だか、空気が悪い…だろうか?
私は間違ったことしてないと思う……けれど。

どこか挑発的な惠さんの表情に、ゆづが静かに目を逸らした。
…挑発的より、威圧的…だろうか。


「あ!!」

『!?』

突然、思い出したように声を出した真夏さん。
私は肩を揺らした。


「…あ、えーっと…」


あれだけ派手に叫んだというのに、この期に及んで続きを濁す真夏さん。


「今度は何言い忘れたの、夏」

「毎回毎回俺が言い忘れのプロって思うのやめてよ!」

「じゃあ今回は言い忘れじゃないんですか?」

「言い忘れです!!」


頬を膨らませてそう言った真夏さんは、あはは、と誤魔化すように笑ってからとある書類を見せた。



「…ちょうど3日後、8月14日から…3泊4日の合宿をするように言われてました!!」


「「……」」



*****

銃の名前とか、実際にあるやつもたくさん使いますが造語とかあるかもです、ご了承ください。

9話→←不得手な



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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年11月25日 11時

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