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11月13日 ページ5

(もう一か月くらい経ってるけどお気になさらず)





*****


最後に誰かと過ごした自分の誕生日には、彼女がいた。
長く、柔らかな髪。彼女の頭が自身の肩に乗せられ、彼女はリラックスしたように目を閉じた。

「めぐみちゃん、本当におめでとう。」

「……はいはい、ありがとうね」


幸せそうなその顔は、まるで自分が誕生日であるのかというくらいだ。

「めぐみちゃん、私ね…」

……あの時、彼女は。



.



「…なんて、言ったんだったかな」


『惠さん?』

キッチンで料理をする彼女が、一瞬夢に出てくる彼女と重なった。
見た目も何も、全く似ていないのに。


「…いや、何でもないよ。」

『そう、ですか?』


不思議そうに眉を下げた。
あの頃がただ懐かしくて、少し思いふけっていた。…それだけなのだ。


「たっだいまー!!」


明るい声が室内に響く。
三人が帰ってきたらしい。

「…そんなに豪華にしなくてもいいのに。」

どうせ、どこの食べ物も美味しく感じられない。
彼女のあの料理しか、食べられない口になってしまったのだろう。

『ダメですよ、惠さん!』

「…どうしたの新人ちゃん」

テーブルに どん、と料理を並べてから、彼女は屈託のない笑みを浮かべた。


『自分が生まれることができた日です。祝われるべきだし、ほんっとうに、凄いことなんです!』



惠さんが今ここで、生きているということも、全部。凄いことなんですよ。
…なんて言って、彼女は少し切ない笑みを浮かべた。


「…そうだね」


彼女の生きる意味を奪ってまで、俺がここに生きていること。
…きっとそれは、凄いことだ。


「メーグッ!そのしんみりモード今日は無しだよ!ほら蜜ちゃん蝋燭!」

「垂らすんですか」

「結弦くんやめてあげて」


ケーキに、五本の蝋燭がさされる。
そして、五つの火が灯される。


「…こういうの、地獄で吹いたら人が死ぬんだよね」

『そのタイミングで言うことですか!?』


ふぅ、と息を吹きかけて。
止まることのない時間を、少しだけ、嬉しく思った自分がいた。






“今日だけは、ずっと大切な日だよ。”

*****


そんなドSでからかい上手な惠の誕生日は本日です。





…すみません、本日じゃないです。()

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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年11月25日 11時

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