一人じゃない、と ページ22
「ラスト一回も命中ですか。かなりの命中率ですね」
『……かなり、というか……百発百中だね…』
もはや苦笑しか出ない。
けど、真夏さんが言っていたことは本当に本当らしい。
「お姉さんって…とっても凄い人なんじゃないんですか？」
『なんか、私自身でもそう思うくらいには…』
「とりあえずお昼食べましょうか。一旦休憩ってことで」
袋からお弁当を取り出す。
実は内心食べるのを楽しみにしていた、駅前のお弁当屋さんだ。
あの後、ゆづは咲間さんと一緒にテロリストを連れて警視庁へ向かった。
夕日ちゃんは春日くんから連絡があったらしく家へ戻る、とのこと。
私も帰っても良かったのだけど、咲間さんからある程度この銃に慣れておけとのことで今試し打ちをさせてもらっていた。
「ん、うま」
『揚げ物はやっぱり美味しいね…』
「なんか揚げ方に工夫されてるそうですよ。企業秘密らしいけど」
『へぇ…。やっぱり調味料かな…』
こういう時、自分の料理で味を再現したくなってしまう。
とは言っても、私は舌も腕も天才ではないから簡単ではないけれど。
「………お姉さん」
『ん、何？』
言いづらそうに私を見つめる真冬くん。
弁当の中に目を移してから、再び私の方を見た。
「お姉さんのその腕は、生まれ持っての才能。貴方のような銃の扱いをできる人間を、死蝶と言うんです」
『死蝶…』
“……死蝶は腕の仕組みじゃないんだな…”
『そっか、さっきの咲間さんの…』
「はい。死蝶っていうのはかなり特殊なんです。過去会ってきた中でも貴方は2人目。それくらい数も少ないので、咲間さんもどうして死蝶は銃の天才なのか、何か法則性を見つけたいらしいんです」
『だからあんなに触ってたんだ？』
「……いや、初めましての人には大体あれですよ。普通よりは若干長かったかもしれませんが」
平然とした顔でご飯を口に運ぶ。
けど、この話を切り出したのは理由がある……のだと思う。
『あの…1人目は司さんって人？』
「咲間さんが呟いてたあれ、聞こえたんですね」
『偶然だけど…人の名前だったから気になって。』
私がそう言うと、彼は頷く。
私はサラダを食べてから、彼の方をもう一度見る。
「春原司さん、正染の補佐組織“トライアングル”のリーダーです」
『その人も……私と同じ…。』
自身の手を見つめた。
どんな人なんだろう。これを知ったときその人は、どう思ったんだろう。
一人じゃない。やっとそんな風に思えた。
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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しい言葉です…！頑張ります！ (2019年3月11日 13時) (
レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い！私は真夏さんが好きです！イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね！ (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます！はい、頑張ります！ (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ！( ☆∀☆)面白かったです！私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね！ (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2018年11月25日 11時
