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轟春日 ページ33

《さぁ、始まりました!各学年A .B組の合同授業!注目の出場者はやはり轟兄妹でしょうか!》


放送部の解説が森のフィールドからもよく聞こえるが、それは無視して行動を始める。
夕日ちゃんは重機関銃を設置したところへ体を伏せて待機している。
設置場所はAチームとBチームの境目といっても良いところ。
後ろから攻められたら逃げ場はない。

そんななか、集中力がすごい夕日ちゃんは 試合が始まって以来一言も言葉を口にしていない。
私は彼女を横目に見つつ、向かってくる敵を探している。


「…きた」

『…!』


男女が一人ずつ。
重機関銃に気づかず、通り過ぎようとしたところ。

…弾幕が張られ、大きすぎるほどの銃の連射音が耳に響く。

「なっ…!」


戸惑った彼らが体勢を崩したところに、息つく暇なく彼女は動いた。
瞬きをした頃には、彼女は二人の背後へ転がり込んでいる。
そして二丁が確かに二人を捉えた。


…近距離だから、二丁でも命中するのだ。


赤いペイントが彼らの体操着で弾ける。


「…すみません、開始早々狙ってしまって。」


___…そして爽やかな笑み。


*****


《開始早々Bチーム脱落者です!脱落者は即座にフィールドから出てテントへ移ってください!》

「……轟か」

「かっこいいだろ?ゆうひちゃん」


脱落の放送が流れた。
このペースなら15分もないうちに終わるんじゃ無いだろうか。
隣にいるのは、轟夕日の兄。

同じく銃使いの天才、轟春日。


「競わなくていいのかよ」


そう言ったら、何のことやらという表情でにこりと笑った。
そして能天気な声で話し始める。

「俺はゆうひちゃんだけは手を出さないからねぇ。それ以外は文字通りぶっ殺すけど?」

「…だから、それを競うって言ってんの」


呆れたように呟いてから、立ち上がる。
同じく春日も立ち上がった。


「援護してやるから、弾当たんなよ?」

「…当てんなよ、“天才スナイパー”」

「すぐ煽る…」


狙撃銃を持ち上げ、移動を始める春日。
目指すのはペイント弾の置いてあるテント。
人が多く集まるはずの場所だ。


*****


轟 夕日(トドロキ ユウヒ)

花菱高校1年B組(16)
一年生の中でもずば抜けた戦闘能力。
近接戦を得意とする。狙撃銃、機関銃、などあらゆる武器を使いこなす天才。
左手は手関節離断の義手である。

轟 春日(トドロキ ハルヒ)

花菱高校2年A組(17)
同じく、天才と称されている。
狙撃銃の扱いが得意。
右足は太腿切断の義足である。

欠陥品→←轟夕日



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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年7月15日 12時

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