〈オリジナル〉殺し屋系グループでドSな相棒が出来たのですが。

笑う ページ26

正染加入者公式規約＿＿＿第9条 加入者17歳未満の者のみで構成された部隊での任務遂行を禁ずる＿＿＿


『……私、正直銃の使い方も分かんないよ？』

「別にいい。使い方は分からなくても使えるだろ」

『いや、意味わかんないし…』


この公式規約では正染に所属可能な年齢は16歳から、部隊編成は17歳以上を一人以上編成することとされている。
つまり、17歳の人間が二人の部隊というのは一番難易度が高いってことだ。


「それだけ人員の要らない任務ってことだ。潜入の依頼だし」

『潜入って、どこの？』

「正染新人向けマニュアル28ページ、重要テロリスト一覧」

『へっ？あ、これ？』


ゆづか口にした書類のページを開く。
そこには鳥の方翼の紋章が記されていた。

『えっと……ネ、ネメシ、ス？』

「単語だと色々意味があるな。英語でnemesisは宿敵って意味だ。他にも有翼の女神にもそんなのがいたっけか」

『詳しいね…。それでこれは、組織名？』

「そうだな、とんでもないイカれた奴らの集団だ」


これは初めて聞いた。
所属している人の情報も載っている。
けど人物情報は機密事項みたいだ。


『………あ、』

「そうだな。満江真里奈の元所属先だ」

彼女の写真と情報と、それから死亡と貼られたシール。
やはり少し複雑だった。


『……ゆづ』

「何だ」

『大事だった友人を自分の手で殺してまで、生きたいと思った私は愚劣なのかな』

「………だとしたら、少なくとも紅苹果は愚劣集団だな」


何も言えなかった。
そうなの？と聞き返すことも、そんなことないって、否定することも。



「俺は、色んなものを捨ててここにいる」



それはきっと、彼がここにいる理由になるんだろう。
だけど彼をよく知らない今の私に、それを聞き出す資格はない。


『受けます。』

「お」

『私……国のために、市民のためにここにいるから』


ほんの少しだけ、彼の口角が緩んだ。

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