な お と さ ん と あ な た - 2 -

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朝、耳元でジリジリ鳴る目覚まし時計を止めて
寝ぼけながら携帯を見ると

(7:10)

の文字

10分！？やばいじゃん！
私が出なきゃいけない時間は8時。

お弁当を作って、着替えて、髪整えて、顔の工事して、朝ごはんたべて、

ってしてたらもう8時。
急いで家を出た

教室に向かう廊下の途中、直人先輩が前から歩いて来て

『A、おはよ！』

と、私の前でトンっと止まった

「おはようございます。」

昨日、直人先輩が来てくれなかったのを思い出して
また悲しくなってきて、声が小さくなる。

『あれ、元気なくない？』

「そんな事ないですよ？元気です。｣

『うん、ならいいんだけどさ、』

直人先輩はちょっと心配そうな顔をして、
じゃあまたね、って帰っていった

毎日、私の教室に来てくれるけど
別に約束してるわけじゃないし、
来ない日があってもそれが普通なのかもしれない。
私が考えすぎたのかな、

もっとポジティブに考えようって思って
今日のお昼を楽しみにして過ごすことにした。


お昼、お弁当を広げて、食べようとした時

『A！お弁当！』

って走って来てくれた直人先輩
びっくりしたけど、嬉しくて

私の横に座った直人先輩が、

『あれ、今日は俺の分の弁当持ってきてないんだ』

って、早速おかずをつまみながら言う

「なんで知ってるんですか！」

『直己から聞いた。
ごめん、昨日来れなくて、』

「…いえ、私が勝手に待ってただけだから、」

『なんかクラスの女子が、今日もいくのぉ〜？？？とか言って捕まっちゃって、』

女子のモノマネをしながらいう直人先輩

「ふふ、モテモテ、ですね。」

『…でもさ、Aのお弁当が1番美味しいよ。
だから、直己が弁当もらったって聞いて、すっごい嫌って言うか、俺が食べたかったって思った』

「ごめんなさい、私今日も作って来たら良かったですね。」

『ううん、今、Aのお弁当食べれてたら良いから！
なんて言うか、俺が直己に嫉妬しただけだから』

「嫉妬？」

『ごめん付き合ってもないのに笑
俺、Aの事好きだから 嫉妬した。』

「…えぇ！？」

直人先輩が椅子を私の方に向けて

『好きだよ。』

と、一言言った。

「私も、好きです、直人先輩の事｣

『俺の、彼女になってくれる？ 』

「なります。直人先輩の彼女。」

『なって貰わないと困ります。』




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