な お と さ ん と あ な た - 2 -

【 先輩 】1 ページ7

you side__


『これ、ちょうだい』

そう言って私のお弁当の中の唐揚げをつまんで、

『んま！さっすがA、良いお嫁さんなれるぞ〜』

と、ニコニコしてるのは

直人先輩


モテるくせに、後輩の私にばっかり構ってくれる
お兄ちゃんみたいな、先輩。

今だって、

“片岡、お前自分の教室に友達いないのか”

って、先生に言われてて


『いますー！Aがどうしてもって言うから来てるんですー！』

「私そんなこと！」

アンナ“またラブラブしてやんの〜！”

「ちょ！アンナ！」


『はいはい、俺の唐揚げもう無いの？』

「あと一個です。私の分です。」

『知りません食べまーす』

「あぁぁ！ちょっと！」

わざとらしくこっちを見ながら大きい口を開けて
食べようとしてる直人先輩

『ふふふ、うそだって』

と、私の口の前に持ってきて

『あーして？』

って言う直人先輩

「え？」

『はやく、俺が食べちゃうよ？』

そう言う問題じゃなくて！
私の心臓の問題で！
私今日寿命かも。

「あ、はい、あー」

私が唐揚げをもぐもぐしてるのを見て

『うまいでしょ』

と、ドヤ顔で言ってくる
私の作った唐揚げなんだけどね？

「美味しいです」

『あたりまえじゃん、こーんなかっこいい直人先輩にあーんしてもらったんだからさ！』

「そうですね、」

って、正直に言うと、

直人先輩の顔が少し赤くなった

照れてる？
直人先輩が？
レアだ！これはレアだ！
照れなおだ！

「あれ、直人先輩照れてます？」

少しからかうように言ってみると

『照れてないから！』

と、必死でごまかす直人先輩

なんか、カップルみたい。
勝手に自分の中でそう思うと
こっちまで照れちゃって

『Aも照れてるじゃん！』

って言った直人先輩に

「“Aも”って、直人先輩やっぱり照れてたんですね」

って、からかった

『もう、そんな子に育てた覚えはありません！』

ほっぺを膨らまして言う直人先輩をみて
胸がぎゅーってなった

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