最恐護衛 (ページ10)

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あれから半年の月日を経た。
半年の間で仲良くなったのかと言われれば、答えはNO。
あいかわらずわたしたちは顔を合わせれば憎まれ口を叩き合うし、2人で楽しくて笑いあうこともない。
だけど、流石に半年常に一緒にいると少しは距離が縮まったようで(と思いたい)、何でもない日にじょんぐくに「ねえ、パンケーキ食べに行きたい」くらいのわがままは言えるようになっていた。

『はあ？無理。だるい』

他の組員と行ってもいいのだけど、専属護衛としてじょんぐくは絶対に付き添わなくちゃならなくて。
毎回外に出るたびにじょんぐくを呼ぶ必要があるのならもう二人で行ってしまった方が早いし、こんなムカつくやつでも話し相手にはなるし…と最初からじょんぐくを誘うようになったのも、この半年で身についたこと。

最初は言いにくくて出かけたくても我慢して家にこもっていたけど、この半年でなんかもう吹っ切れてしまって。言いたいことも全部、息をすることと同じように簡単に言えるようになっていた。

「おねがい～～食べたい～」

駄々をこねるようにじたばたすると、じょんぐくが『みっともねえからやめろ』と顔をしかめる。

「じゃあ連れてってよ」

『なんで俺が』

「だって専属護衛じゃん」

『友達でもなんでも連れて行けばいいだろ。俺は外に立ってるから』

「うっわ、わたしに友達がいないの知っててそんなこと言うんだ？最低」