最恐護衛 (ページ7)

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2週間に一度。屋敷では親睦を深めるために組員が集まって食事会をすることになっている。
今日もその日で、わたしはその度にお姉ちゃんの家に遊びに行っていた。

7つも年が離れているせいか、お姉ちゃんは普通の姉妹よりもずっとわたしを可愛がってくれる。
それはもう、結婚して家庭に入ってからもずっと、わたしの様子を気にして頻繁にメッセージを送ってくるほど。

お姉ちゃんは組が関わっている企業の御曹司と若い頃に結婚させられていて、当時からずっとお金で守ってもらっている。お父さん曰く、成人したら屋敷を出ていってほしいんだとか。その理由は狙われやすいからとか、内部事情をあまり知られたくないとか、なんか色々あるみたいだけど…まぁ、お父さんなりのわたしたちへの配慮なのだろう。実際、屋敷にいることで危ない目に遭わなかったことはないし、やくざの娘というだけで色々言われたりもするし。家を出れば、そういった問題からは離れられるのも確かだった。

とはいえ、結婚させられたっていってもお姉ちゃんと旦那さんは相性が良かったようで、仲良くやっているみたいだけど。

「あら、じょんぐくも一緒なのね？」

車から降りるわたしたちを見たお姉ちゃんが優しい笑顔で迎え入れてくれる。

『久しぶり、ぬな』

お姉ちゃんには素でまともな態度をとっているじょんぐくは、声の調子がわたしに向けるものとは違って柔らかい。これもわたしが気にくわないポイントの一つだった。
じょんぐくは、わたしにだけ酷い態度を取るから。

『今日からこいつの専属護衛になったんだよね』

広い庭のような家の中までの通りを3人で歩く。

じょんぐくはわたしのことを親指で指しながらめんどくさそうにお姉ちゃんにこうなった経緯を説明していた。

「じょんぐくが一緒なら頼もしいわね」

二人の話に参加しないでただ一緒に歩いてると、聞き終えたお姉ちゃんがわたしの顔を覗き込む。

お姉ちゃん、わたしとじょんぐくが仲悪いのを知っているくせに酷いよ。
もしかして……お姉ちゃんも裏切者？(違う)